一休さんは、宇宙を飛び回るアナキンとは比べものにならないくらい悲惨で苦しい生活をしていました。
 でも、アナキンとは何かが違いました。
 スターウォーズを観ていても、青年になったアナキン・スカイウォーカーの笑顔を観たことがありません。
 「笑顔の練習をしましょう」と、何回も書いてきましたね。
 キーワードは笑顔なんです。
 そして、笑顔を作り出すものが、次の基本的で、重要な、魔法のような感情になっていきます。

 一休さんというと、とんちですね。
 とんちとは、その場面場面に応じて、即座に、とっさに、しかも、オンタイムに出る知恵のことです。
 そうやって、一休さんは数々のトラブルを回避してきました。
山田隆文の歯医者さん日記


 足利将軍に「屏風の中の虎を捕まえろ」と難題をふっかけられた一休さんは、「捕まえますから、虎を追い出して下さい」というとんちで、この難題を解決します。
 足利将軍は呆気にとられます。
 でも、足利将軍の<怒り>は引き出したのではありませんね。
 「やられた」「一本とられた」となります。
 結果として、<笑い>がありました。
 もし、ここで、一休さんが、アナキンのように「そんなことできるわけ無いじゃないですか」なんて、冷たい答えをしたらどうなったでしょう?

 一休さんは、将軍の<怒り>を買って、即座に斬り殺されていたんです。

山田隆文の歯医者さん日記

 一休さんにも孫悟空に共通するのも、<笑い>でした。
山田隆文の歯医者さん日記

 昔のテレビドラマで西田敏行さんの演じた猪八戒にも、ずいぶん笑わされたと思います。
 スターウォーズで笑いをとったのは、C3POとR2D2のロボットコンビと、ジャージャー・ビンクスくらいでしょうか?
 しかし、ジェダイの騎士団には<笑い>がありませんでした。
 いつも、しかめっ面をして会議をしています。
 妙な、緊張感だけが漂っていました。
 ジャージャー・ビンクスには、いろいろとクレームも出ていますが、C3POとR2D2の存在は、非常に大きいですね。

 一方で、一休さんの生き延びてきた極意には、とんちやいたずらがありました。
 今のバラエティー番組であれば、「じゃん・じゃん!」という効果音が入りそうですね。
 どんな緊張感も、どんなピンチも、とんちで切り抜けることができます。
 「ぽいぽいぽいの、ぽいぽいぽぴー!」ですね。
 釣りバカ日誌の浜ちゃんは、いつも、どうやってピンチを切り抜けていますか?
 そして、いつの間にか、大きな仕事をまとめてしまったりしていますね。

 ジェダイの騎士やアナキン・スカイウォーカーの、ネガティブフィードバックではなくて、ポジティブ・シンキングをしているからです。
$山田隆文の歯医者さん日記

 「この橋渡るべからず」という難題を、真ん中を渡ればいいと言うウィットが、すべての緊張感を崩壊させてしまいます。
 アナキン・スカイウォーカーも、もし、エピソードの中で、だじゃれのひとつも飛ばしていれば、笑顔を見せていれば、ダークサイドに取り込まれることはなかったのですね。
 もう、おわかりですね。

山田隆文の歯医者さん日記


 <笑い>こそ、<感情>とうまくつきあうための極意なんですね。
 だから、何度も何度も<笑顔>の練習をしましょう、と書いてきました。
 もし、電車の中で足を踏まれた時、「あら、ごめんなさい」と、くったくのない笑顔で言われたりしたもんだったら、「いや、いいんですよ」ってことになってしまいます。
 <怒り>を感じている暇もありません。
 自動車をぶつけた時の「ばかやろう!」とは、全く別の結果を生み出します。
 アメリカでは、笑い療法まであります。
 病院で、患者さんを前に、コメディアンを呼んできて笑わせるのです。
 実際に、笑った後の免疫活性が上がるというきちんとした論文も出ています。
 ネガティブフィードバックを止めるのには、努力は必要ありません。
 一滴の<笑い>でいいのですね。
 さあ、昔のアニメーションの一休さんを思い出してみましょう。

山田隆文の歯医者さん日記