これまで、どちらかというと、ネガティブな<感情>にばっかり焦点を当ててきました。
でも、たそがれてしまわないで下さい。
人には、良い<感情>もたくさんあるんです。
ただ、どちらかというと、原始的な、基本的な<感情>から順番に説明をしないと、わかりにくいと思いました。
<恐れ>は動物でも感じます。
犬だって、尻尾を股の間につっこんで、首を項垂れます。
<怒り>も動物でも感じます。
猫だって、背中の毛を逆立てて、ふい~~~!と、呻ります。
<嫉妬>だって、動物は感じます。
犬を一匹だけかまっていると、別の犬も、「俺も」と言って割り込んできたりしますね。
ですから、どちらかというと、心の水面の深いところに沈み込んでしまっている、重い<感情>から話さざるを得なかったのですね。
ご安心下さい。
徐々に、楽しい<感情>が出てきます。
そして、<感情>は変化します。
別のエネルギーに変換することができるんです。
その、究極の極意まで、あと、ちょっとです。
前に、ダークサイドに落ちていったアナキン・スカイウォーカーと、一休さんの話をしました。
二人の違いは何だったのでしょうか?
どちらも、幼少の時に、母親と別れなくてはなりませんでした。
アナキンは、ミディクロリアンの申し子として生まれ、ジェダイの騎士となるために、オビ・ワン・ケノービのもとで修行を開始します。
一休さんも、後小松天皇を父として生まれましたが、足利幕府とうまくいかないために、安国寺に預けられました。
アナキンの方が、強いフォースを持ち、やがて、評議会議長のパルパティーンの護衛となり、強い力を持っていきます。
一休さんは、どちらかというと、非力です。
アナキンは、クローン戦争に、一休さんは、末法の世の平安時代に翻弄されていきます。
しかし、アナキンは、ネガティブな感情に引きずられて、愛するパドメを失い、ダークサイドに落ちてしまいました。
一休さんは、辛い修行生活をしながらも、坦々と生きていきます。
最終的には、大徳寺の住持になります。
そして、森女にみとられて、大往生をします。
彼の詠んだ歌です。
「門松は 冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし」
くしくも、アナキン・スカイウォーカーを見たヨーダが言いましたね。
「<恐れ>はダークサイドの入り口だ」って。
母を失った<恐れ>と<喪失感><悲しみ>は、なぜ、母を守れなかったのかという<怒り>に変化します。
パドメと出逢ったとき、今度は、そのパドメを失うかもしれないという<予期不安>を感じます。
失いたくないという<執着>は、母を失った<感情>により、何倍にも増幅されました。
失わないためには力が必要だと決断します。
今度は、パドメの相談を受けているオビ・ワンに、<嫉妬>を感じます。
そして、ネガティブフィードバックの最後に、シス卿の言葉の魔術に引っかかってしまいました。
おもしろいですね、と、表現をしてもいいのかどうか困りますが……
ネガティブな感情に捕らわれてしまうと、回りのことは、全く見えなくなってしまいます。
考えれば考えるほど、泥沼のようにはまっていきます。
<感情>に絡め取られていきます。
ハリー・ポッターの賢者の石を守っていた悪魔の罠のようです。
悪魔は、こちらの<感情>の弱点を突いてきます。
非常に、巧妙です。
さあ、どうやって逃げましょうか?
ハリー・ポッターの悪魔の罠では、ハーマイオニーが、抜け方に気が付いたのですね。
そこに、極意があります!
ヴォルデモート自体も、恐怖で支配をしようとして、その恐怖の力が落ちてくると、仲間にも見捨てられました。
自らも、ハリー・ポッターを倒さなければ,自分が倒されてしまうという恐れによって支配されていたんですね。