冨樫義博さんのハンターハンターも漸く再開。
 アニメも新たに放映されるそうですが。
 さて、その第1巻の中で、嵐にもまれる船の中で、クラピカとレオリオが喧嘩をするシーンがあります。
 ここで、主人公のゴン・フリークスがこう言います。
「その人を知りたければ、その人が
 何に対して怒りを感じるかを知れ」
 ものすごい真実が秘められています。
 ハンターハンターの読者のどれくらいの人が気がついたでしょうか?
 前にどこかで書いたと思います。
 ヒントは、どこにでもあります。
 アイテムは、どこにでも転がっています。
 それに気がつくか、気がつかないかです。
 でも、見逃したからといって、悔やむ必要はまったくありません。
 私たちが成長するのに必要なハードルは、やりすごしてもやしすごしても、また、やってきます。
 ヒントに気がつくまで……(笑)。

 さて、ネガティブな感情の三兄弟の<恐れ・怒り・嫉妬>ですが、ここで、少し考えてみてください。
 <恐れ>も<怒り>も<嫉妬>も、自分の心の中で起こっています。
 自分が中心です。
 さあ、まずは<怒り>から。

 あなたは、何に対して<怒って>いますか?

山田隆文の歯医者さん日記

 まずは、半径1メートルの<怒り>です。

 一つの例です。
 壁掛け式のエアコンのリモートコントローラーを戻そうとしたら、うまく戻らず、落ちて、ゴミ箱の中に入り、電池まで飛び出しました。
「この忙しいのに、なんなんだ!」
と、怒った人がいます。
 何に対して、怒ったのでしょうか?
 さて、因果関係と言います。
 原因と結果ですね。
 そのエアコンを選んだのも、その位置にコントローラーを置いたのも、下にゴミ箱を置いたのも、全部自分です。
 もっと使いやすいものにすれば、もっと使いやすい場所に置けばよい。
 それが答えですね。
 でも、たぶん、自分では気がつけません。
 他人が指摘すれば、さらに、怒りを助長します。
 そして、また、きっと同じ事をやって、怒ります。

 自分で置いた椅子の角に、足の小指をぶつけます。
 自分で積み上げた本に、自分でぶつかって崩れます。
 トイレットペーパーがからからと出てこないで、いつも、途中で切れます。
 などなどなど……。

 さて、人は、どうして、他人から観れば、そんな小さな事に怒るのでしょう?
 でも、よく見てみると、けっこう、そこで切れるの?という人がたくさんいます。

 半径1メートル。
 それは、手の届く範囲の怒りなんですね。

 では、あなたの怒りはどの程度?
山田隆文の歯医者さん日記

 5メートル?
山田隆文の歯医者さん日記

 10メートルくらい?
山田隆文の歯医者さん日記

 数十メートル?
山田隆文の歯医者さん日記

 それとも?

 感情を考える時、単に、感じている感情だけを考えるのではなく、何に対してその感情を感じているのかを考えてみましょう。
 その距離感も感じてみてください。
 すぐには無理かもしれません。
 特に、ネガティブな感情を感じている時には、私たちの理性は、その感情に覆い隠されています。
 その感情だけに捉えられていると、淀んでしまって、何に対してネガティブの感情を感じていたのかが見えません。
 ただ、感じてください。
 <怖がっている>、<怒っている>、<嫉妬している>自分を、素直に感じてください。
 怖いのにジェットコースターに乗れるはどうしてでしょう?
 だって、その場で、「きゃ~~~~~~っ!」と悲鳴を上げているからです。
 だから、すっきりするんです。
 抵抗してはダメです。
 素直に感じられなくて、逃げていると、嫌な感情は、ずーっとあなたにつきまとってきます。
 やがて、あなたの心の海の底に沈んでいきます。
 それは、ヘドロのように堆積をしていきます。

 さあ、あなたの感じている大きさが、地球レベルくらいになれば、合格点!

 えっ、そんなの無理だって?

 では、次の回で、禅や密教でも使われているトレーニング方法をお教えします。