さて、<恐れ>について、いろいろと考えてきました。
 でも、まだまだ終わりません。
 では、どうしたら<恐れ>に対処できるのでしょうか?
 それを考えておかないと、先へ進めませんね。
 さて、私たちは、<怖いもの>に出逢った時、どんな行動をするでしょうか?
 <恐れ>を感じたときに、私たちはどのような反応をするのでしょうか?

山田隆文の歯医者さん日記

 一番目の行動は、簡単です。
 <逃げる>です。
 宇宙戦争でも、トライポッドが襲ってくると、人々は逃げまどいました。
 ゴジラが街を破壊しながらやって来ても、悠長に見物している人は少ないでしょう。
 スカイラインー征服ーでも、トランスフォーマーでも!
 妖怪大戦争でも、デイアフタートゥモローでも、インディペンデンスデイでも……
 (ハリーポッターでは果敢に戦いましが……)
 危険を感じたら、その危険から遠ざかるのが一番の方法です。
 ですから、<危険なもの>には近寄らないのが一番です。

 というのは、あくまでも理想論なのですが……
 職場のトラブルや夫婦の問題や親子の問題や……
 実際の場合には、逃げられないことの方が多いですね。

山田隆文の歯医者さん日記

 もし、<恐れ>から逃げられないとすれば……
 もう一つの方法は、<守る>です。
 ハリーポッター風には、「プロテゴ!」ですね。
 ホグワーツ魔法学校を守った教員達のスペル(呪文)による最大防御のバリアと、デスイーター達の攻撃との攻防は、なかなかの迫力でした。

 ボディランゲッジの腕組みは、まさに、<守る>為のポーズですね。
 原始の時代、危険な動物から身を守うために火が大きな役割を果たしました。
 戦争で、矢が飛んでくるから盾を持つ。
 攻め込まれないように、万里の長城のように塀を作る。
 ミサイルが飛んでくるから、迎撃ミサイルを配置する。
 核ミサイルを打たれないように、核ミサイルを作りそうな国はすべて排除する????
 この<守る>と言う方法にもいろいろな方法があります。
 ただ、危険から身を守るだけならいいのですが……
 いつしか、この守る行動が、物理的にも心理的にも過剰防衛になってしまうことになります。
 それだけならいいのですが、他の人を傷つけてしまうことすらあります。
 たとえば、この、腕組みをした人を見れば、多くの人は良いイメージを感じませんね。

山田隆文の歯医者さん日記

 さあ、腕組みくらいならまだいいんですが、こんな風に、身構えられたらどうなるでしょう?
 犬だって、きっと、敏感に察知して吠えます。
 人間だって、あまり、お付き合いのしたくない人ですね。
 実際には、体で表現はしていなくても、心の中ではこんな感じになっています。
 表情や、アクセントやイントネーションなど、言葉のはしはしに、そんな雰囲気が感じられます。
 心の中で、機関銃を構えています。
 「私の心に土足で入り込む奴は、ようしゃなく撃ちます!」といっています。

 もういちど、ここで、自分の顔を鏡に映して観て下さい。
 如何でしょうか?
 他の人を受け入れない、何か、防御の表情はありませんか?
 仮面のような、表情のない顔は、まさに、他人に感情を読み取られたくないという防御の方法です。
 苦虫をかみつぶしたような、しかめっ面や、つり上がった目や、への字の口はまさに、逃げと防御の表情です。
 そして、毎日、街を歩いていても、電車に乗っても、職場でもどこでも、そんな表情の人たちが非常に多いことに、お気づきですか?
 だから、始めに、笑顔の練習をして下さいとお願いしたんです。