<恐れ>まではいきませんが、それに近い感情や気持ちがあります。
<不安>
<不安>というのは、<恐れ>など、自分にとって良くないことを予期するときに起こる<感情>です。
広辞苑によりますと、
「1)<安心>の出来ないこと。<気がかり>なさま。<心配><不安心>
2)実存主義哲学の重要概念の一つ。キルケゴールでは実存の持つ本質的矛盾から、ハイデッガーでは根元的<無>に根ざし、両者とも特定の対象への<恐怖>とは異なる」とあります。
簡単に言うと、<恐怖>そのものは起こっていません。
でも、その<恐怖>が起こりそうな予感がするとか、起きたらどうしようという時に感じる感情なんですねw。
<不安>も<恐れ>と同様に、日本語の語彙は非常に少ないのですが、英語圏では種々のグレードと表現方法があります。
辞書で拾った表現を揚げてみましょう。
<uneasiness>は<不安><心配><不愉快><窮屈>と訳されています。
<uneasy>は<不安な><心配な><気にかかる>状態です。
<気にかかる>は<anxious>と同義語です。
その他(体が)<楽でない><窮屈なuncomfortable><落ちつかないrestless>を意味します。
ここで気が付いていただきたいのですが、<uneasiness><uneasy><uncomfortable>も<easiness容易さ><easy楽な><comfortable気持ちの良い>と言う<肯定的>な語句に、打ち消しを表す<un>という接頭語が付いているのですね。
<un>には<反対><除去><元に戻す>という意味がありますので、<容易でない><楽でない><気持ちの良くない>状態が<不安>と表されることになります。
日本語でも、<不安>も、<安>という字に打ち消しの<不>が付いた状態なのです。
従って、<安らかさ>をかき乱すような<恐れ>などの状況が、まだ来ていないんだけれども、来そうな<予感>がするときに、<不安>という<気持ち>が起こるのです。
ですから、<不安>のグレードは、まだそのものに直面していない分だけ、<恐れ>よりは幾分か低いと言うことになります。
<misgiving>は<疑い><気遣い><心許なさ>と訳されます。
<misgiving>もやはり、<giving><与える>という<肯定的>のな用語の前に<mis>という否定の言葉があります。
<mis>は<誤って><悪く><不利に>という接頭語です。
<suspense>は<未決><未定>(状態)<宙ぶらりん><あやふや><どっちつかず><不安><気がかり>と言う意味です。
サスペンス映画では、犯人像が2転3転した<あやふや>な状態が連続して、もつれ込んだあげくに、最後に事件の解決へのクライマックスへ至りますね。
<心配>
<心配>は、<心を配って世話をすること><心遣い><配慮>という意味です。
また、<心にかけて思い煩うこと>、また、<不安に思うこと><気掛かり><憂え>などの意味があります。
<心配>も<恐れ>と同様に、日本語の語彙は非常に少ないのですが、英語圏では種々のグレードと表現方法があります。
<心配>は<不安>ほど強い表現ではありません。
でも、何か<嫌な>事が起こりそうなネガティブな<感情>です。
<anxiety>は<気掛かり>と訳されます。
<concern>は<気掛かり>で、一番多く使われているのではないかと思います。
<apprehension>も<気掛かり>ですが、そのニュアンスは<憂慮><懸念>と言う感じですね。
<uneasiness>や<misgiving><fear><suspense>には<心配>の意もあります。
<alarm>も<不安>でと言う意味があります。
そのニュアンスとしては、<警報><非常通知><非常呼集>という<不安><心配>に対する緊急警報的な意味です。
<care>にも<心配><心配事><苦労>という訳されます。
中身としては、どちらかというと、「ネガティブな<心配する>状態にならないようにしよう、あるいはしてあげよう」と言う、ポジティブな感じが汲み取れます。
<trouble>はやはり<心配(事)><苦悩><苦しみ><難儀><災難><不幸>と言う意味があります。
さて、<心配>もまだ<恐怖>自体は起こっていません。
ただ、<不安>は、「困った、どうしよう!」というネガティブな感じですが、<心配>はやや積極的に<恐怖>が起こらないように対処をしたいという感じがくみ取れます。
ですから、私たちは、生命保険や火災保険や地震保険などに入って<恐怖>の事態にならないようにするんですね。
<気がかり>
<気がかり>とは<気にかかること><心配><懸念>です。
<恐れ>はなかなか<恐れ>の特定の対象物を絞りきれない感じですが、<気がかり>では、読んで字のごとく、<心>に引っかかっている特定のものがあるようなニュアンスですね。
もしも、良いことが心に引っかかっていたとしたら、<気がかり>とは言いません。
やはり、心に引っかかるのはネガティブな事なんですね。
<心配>や<不安>と同じように、日本語では<気がかり>は<気がかり>だけですが、英語圏では種々の表現があります。
だから、苦しい時の神頼みですね。
<焦り>
<焦り>は、<恐れ>や<不安>や<心配>に対して起こってくる反応です。
勿論<焦ること><焦りを感じること>ですが、もし、その物事がうまく行かなかったら、<恐れ>や<不安>や<心配>が生じるかもしれないと言う対象物の存在があります。
あるいは、人生の目標が見えないときのように、漠然とした対象があります。
その<嫌な><予期>に対してのネガティブな反応として、<焦る>は<気分がいらだって足をばたばたさせる><せいて気をもむ><いらだつ><じりじりする>のです。
<焦り>は、ネガティブな状況に陥らないようにするための、緊急避難的な反応なのです。
<嫌悪>
<恐れ>や<不安>や<心配>に対して起きてくる<感情>で、非常に強いものがあります。
その一つは<嫌悪>という<感情>です。
<嫌悪>は<憎み嫌うこと><不愉快に思うこと>です。
その対象物が不明確な場合もある<怒り>に比べて、非常に明確な対象物を持っています。
ヘビやゴキブリさんは、なぜか、嫌悪の対象ですね。
<憎悪>
<憎悪>は、<嫌悪>よりもさらに強い<念>を持ちます。
<憎悪>は酷く<憎む>ことの<念>です。
などなどなどなど……
まだまだ、たくさんあるのですが、とりあえず、この辺にしておきます。