山田隆文の歯医者さん日記

 昔は、地震・雷・火事・親父と言いました。
 阪神大震災・新潟中越地震・新潟中越沖地震。
 そして、東北大震災。
 1000年に一度の地殻大変動です。
 この週末には、福島でまた震度5強、伊豆でも震度5弱。
 東京にあるマンションは11階なので、良く揺れます。
 戻り梅雨の前線の大停滞では、新潟~福島に大洪水。
 大学も、あやうく水没しかけました。
 雷も鳴っていますした。
 最近では、親父の権力はかなり地に落ちてきてしまっていますが……。

山田隆文の歯医者さん日記

 さて、<恐れ>の続きです。

 <畏れ>
 <awe>です。
 <畏敬><畏怖><恐れ><恐怖>で、神などの大きなものに対する<畏れ>です。
 先の写真ではありませんが、神様は、なぜか、稲妻や炎と共に現れますね。
 または、その<畏れ>を起こすものや<威圧力>です。
 語源的には、スカンジナビアの古ノルド語の<agi>という<恐れ>の意味だそうです。
 これはギリシャ語の<苦痛>を表す<achos>と同語源です。

 他にも、いろいろな表現があります。

 <フライト>
 <fright>はぎょっとするような突然の激しい<恐怖>。
 恐れを感じている時間的には短いです。

 <ドレッド>
 <dread>は<死>をもたらすような<危険>または<不愉快>なことを<予期>するときに感じる<恐れ>ですね。
 <畏怖の念>という意味もあります。
 <dreadnought>はドレッドノート級の超弩級戦艦という使い方で、よくSFなどにも出てきます。

 <アラーム>
 <alarm>はアラーム時計や警報などのアラームです。
 予期しなかった<危険>に突然気づいたときに起きる感情です。
 語源は古期イタリア語の<allarme武器を取れ>という意味から派生してきたそうです。

 <アプリヘンション>
 <apprehension>は、今は起こっていないのですが、これから起こるかもしれない災いに対する<不安><懸念><心配><危惧>と言う意味を持った<恐れ>です。
 東京直下型地震を恐れると言うというような意味ですね。

 <スーパースティション>
 <superstition>も<恐怖><恐れ>ですが、その対象は未知なるものや神秘的なものに対しての<感情>です。

 他にもありますが、書ききれないので、この辺で。
 語源までたどると、みな、非常に面白いです。

山田隆文の歯医者さん日記

 <恐れ>と言っても、私自身でも、こんなにたくさんあるとは思いませんでした。

 さて、如何でしょうか?
 同じ<恐れ>であっても、<恐れ>の対象物や、感じ方によって、随分とニュアンスが違うことがわかったでしょうか?

 <恐れ>に関しては、充分なページを取るつもりでいます。
 なぜかといいますと、私たちの人生のトラブルの多くが、この<恐れ>によって起こっているいるからなのです。
 1960年代まで続いた米ソの冷戦。
 相手が核兵器を持っていることが<恐い>から、自分も核兵器を持たなくては成らないという<恐れ>に裏打ちさた行動です。
 もっと過激になると、9・11の後、<恐れ>の対象に、やられる前にやってしまえと、先制攻撃してしまったと悲惨な例もあります。
 <恐れ>は次に説明する<怒り>に通じるところもありますが、それは、別の時にお話しします。

 さて、私たちは<恐れ>を克服することこそが、私たちの人生の最大の到達点であるとも言えるのです。
 でも、急にそんなことを言われてもできるはずもありません。
 少しずつ自分の<感情>を解析し、自分の心の中で起こっていることを理解していく中で、私たちは知らないうちに<恐れ>を克服することができるのです。
 <恐れ>の最初の所で、私たちが<恐い>のは知らないことであり、未知のものであると書いたと思います。
 前に、「幽霊の正体見たり枯れ尾花」という言葉を紹介しました。
 障子に月明かりで映る影に怯えていたら、それはただの枯れた花の影であったというお話ですね。
 枯れ尾花は<恐い>ものではありません。
 でも、私たちは、<不安>をあおることによって、<恐怖>を感じてしまうのです。
 なかなか、対象が姿を現さない怪獣映画や、恐怖映画などでお馴染みの手法なのですが、いざ、画面の中ではなくてわが身に降り懸かると、そんなことは言っていられません。
 子どもの時に、<恐い>話を聴いた後に、夜中に一人でトイレに行けなかったという経験は誰もがしているでしょう。
 でも、大人になっても、同じパターンを知らず知らずのうちに繰り返してしまう事があるのですね。