心の中は、まるで迷路のようです。
 油断して入っていくと、迷路の中でスタックしてしまいます(引っかかってしまいます)。
 思考の澱みに入り込んで、どろどろに足を取られてしまうと、身動きができなくなっています。
 そんなのを、「はまった!」と言いますね。
 そんなとき、前回の笑顔を思い出して下さい。
 くだらないギャグを想い出して下さい。
 笑顔と笑いが、懐中電灯の替わりになります。
 さて、自分の心の中に入る前に、自分の心を少し知っておく必要があります。
 地図があれば迷いませんね。
 まず、地図を描いてみましょう。

 さあ、「あなたのハートを描いてみて下さい」
 教えている学生さんたちに、ハートを描いてもらいました。
 医療面接で、患者さんの気持ちや感情に配慮をします。
 でも、気持ちや感情って,何?
 共感って、何?
 そのためには、ハートを知らなくてはなりません。

 ほとんどの人は、ハートというと、こんな、上の方が少しくびれて、下が尖ったような形に描いてくれました。
 心臓の形を意味しているという説もありますね。
 「あなたのハートは?」と尋ねると、ほとんどの人は、自分の胸を指しますね。
 さて、ハートの色はどんな色でしょうか?
 やはり、ほとんどの学生は、ピンク色に塗ってくれました。
 おもしろいですね。
 こんな、ハートの形のルーツは、どこにあるのでしょうか?
 さて、あなたのハートは、どんな形でしょうか?

$山田隆文の歯医者さん日記


 これは、とある学生さんが描いてくれたハートです。
 私が表現したいことをすべて描いてくれました。
 同じようなハートを描いてくれた人もたくさん居ました。
 気持ちや感情を、よくメールで目にするような、顔文字で表現してくれた人も居ました。
 さて、この絵では、心がいくつかに分かれています。
 その中に、「喜」「怒」「哀」「楽」があります。
 この学生さんは、色々な感情があることを、経験的に知っていました。
 それぞれの感情の位置や広さも考えてみて下さい。
 いかがでしょう?
 おもしろいですね。
 よく、心理療法で用いられる<エゴグラム>というものでは、私たちの意識・エゴ(自我)を、父親的・母親的・大人・自由なこども・順応したいい子のこどもという5つの部分に分類して分析をしていきます。
 ビリー・ミリガンの中の24人や、ジェニーの中の400人ではありませんが、私たちの中にも、色々な気持ちや意識やエゴがあるんです。
 これが、立場や時と場所を変えて、くるくると変化していくのですね。
 エゴグラムを用いた交流分析の中では、大人の自我を使って、この分裂した自我を統合していくのです。