うちの短期大学の、歯科衛生士のための学び直し講座です。
平成19年度の文部科学省の「学び直し」委託事業が終了し、昨年から大学独自で開始をしています。
本当は、3月13日に行う予定だったんですが、3月11日に東北地方大震災、3月12日には上越地方でも震度6の地震があったと言うことで、延期になっていました。
でも、たくさんの方が参加していただきました。
一応、私が講師です。
歯科衛生士さんも、結構、TEK(テンポラリークラウン)を作る機会があります。
なぜ、TEK?
一応、テンポラリークラウンは、temporary crownですから、本当ならTECなんですけど……。
ここが、日本のごちゃ混ぜなところ。
テンポラリーは英語でT、クラウンはなぜかドイツ語でKroneなのでK。
他にも、医療用語では、胃管のことを、マーゲンチューブ。
マーゲンはドイツ語で胃、チューブは英語ですよね!
英語とドイツ語とラテン語と日本語が、ごちゃ混ぜで、さらに、勝手に略語にします。
だから、保険の記号は「なんじゃこれ?」ばっかり。
さて、午前中は、簡単な講義の後、
・右下顎第一大臼歯のスケッチ
・右下顎第一大臼歯のカービング
みなさん、けっこう、手こずっていました。
午後からは
・右下567のブリッジテックの制作
・最後は、タイムトライアル
30分で、どこまで作れるか!
だって、患者さんにはアポイントの時間があります。
「単冠なら5分、ブリッジ20分」と、脅します。
でも、最後には、みなさん、コツをつかんでいただいて、セットして帰れそうなテックを作りました。
まだ、この先には、プロビジョナルレストレーションがあります。
テックは、削った後の次のアポイントまでの間までの暫間です。
でも、プロビジョナルレストレーションは治療のための仮歯です。
長い歯周治療の間、歯肉の治りを待ちます。
複雑な補綴物(クラウンブリッジですね)をいれる場合、一度で作ると、形や咬合状態や色など、患者さんに一番いい形にならないこともあります。
ですから、まずは、仮歯で様子を見ていきます。
プラスチックですから、足したり削ったりして、形を変えて、患者さんに一番ふさわしいものを試行錯誤することができます。
そして、患者さんが気に入ってくれた仮歯を、最終補綴物に再現をしていきます。
うちにも、非常勤講師(臨床教授)として来ていただいている遊亀裕一先生は、患者さんのブラッシングの癖まで再現します。
TEKの時に、患者さんがどのように歯間ブラシを入れるかを、歯科衛生士さんに写真を撮って貰い、同じ歯間ブラシを購入して、患者さんが入れやすい歯冠形態を再現するそうです。
凄いですね。