私は、日本口腔外科学会の専門医である。
 専門医制度ができたとき、すでに口腔外科学会は法人で、1000人以上の会員がいたので、いち早く申請をした。
 歯科の中では、一番最初に厚生労働省から専門医を認定された学会だ。

 3月末が、更新の締切である。
 ところが、地震騒ぎで、すっかり遅くなってしまった。
 履歴書に、学会の参加記録(学会参加賞を全て貼らねばならない)に、講習履歴に、学会発表や論文のまとめに……。
 今回から、学会発表や論文はコピーまで付ける。
 さらに、前回はなかったのに、今回は歯科医師免許証のコピーまで付けなくてはならない。

 これが、大問題である。
 東京の部屋は、地震で本が散乱してしまった。
 まずそれを片付ける。
 学会雑誌だって散乱している。
 関係している雑誌を探し出すだけで、まず、一苦労!
 歯科医師免許証を探すのに、もう一苦労。
 コピーは取ってあって、何枚かはどこかに保存したはずなんだけど、これが、行方不明。
 だいたい、大事なものである。
 普通は、開業している先生であれば、診療室の掲示することになっている。
 それ以外のお友達では、銀行の貸金庫に補完をしているという先生もいる。
 無くしたら、始末書を書いて、再発行依頼をしなければならない。

 ここには、厚生大臣の名前と判子がある。
 当時の厚生大臣(まだ合併する前)は増岡裕之とある。
 年齢がばれてしまいそうだが、どんな人だったか思い出せない(ごめんなさい)。
 Wikipediaで調べると(http://ja.wikipedia.org/wiki/厚生省)、第65代厚生大臣。
 在任期間も13ヶ月。
 厚生大臣だけで86人、厚生労働大臣で13人……。
 それくらい、日本の総理大臣と大臣はめぐるましく交代するって事か……。

 私でも、提出資料をそろえるのにこんなに大変なのに、被災された歯科医師の先生達。
 どうされているのだろう……。