新潟は、朝起きると、雪がうっすらと積もっていました。
 被災地は、マイナスの温度で、真冬並みの寒さとか。
 新潟では、東北電力の計画停電も回避され(今日の午前中も大学のある地区が予定されていましたが)、電気のある幸せを感じています。
 一刻も早く、被災地のインフラの復旧をお祈りします。
 寒さの中で、そのために働いている人がたくさんいるのですね。

 さて、放射線防護の続きです。

 歯医者さんで、レントゲンを撮るときには、鉛で囲まれたレントゲン室で、さらに、余分なところにレントゲン線が当たらないように、鉛の入った防護エプロンを着ます。
 被曝を防ぐための三原則です。
・時間
・距離
・遮蔽
です。
・時間
 歯科では、デジタルレントゲン写真が普及しています。
 フィルムを使うよりも、少ない量で撮影できますので、被曝は少なくなります。
・距離
 前回も書いたように、放射線は、距離の二乗に反比例をして減弱します。
 だから、避難区域が設けられました。
・遮蔽
 レントゲン線(X線)や、核物質からでるガンマ線(γ線)は、かなりのものを透過します。
 遮蔽には、鉛などの金属が必要になります。
 ですから、上空から海水を投下した自衛隊のヘリは、床に、鉛を敷いたそうです。
 放射線は直進をしますので、来る方向を防御します。

 でも、テレビの報道を見ていると、原子炉の冷却がなかなか進みません。
 みなさん、イライラして、見ているかもしれません。
 問題は、放射線防御の三原則にあるのです。

 私は歯科医師ですので、職業被曝を受けます。
 職業被曝で、1年間に浴びて良い放射線の総量(加算をしていきます)は、50ミリシーベルト。
 放射線業務従事者が1年間にさらされてよい放射線の限度です。
 一回の被曝の限度は、100ミリシーベルト/回です。

 昨日、ヘリからの放水をした、原子力発電所の上空の放射線量は、3786ミリシーベルト/時です。
 一回で、浴びても大丈夫な放射線量は100ですね。
 割り算をします。
 とすると、一回の行動時間は、わずか、1分半です。

 カップラーメンすら作れません。

 これを、政府が、250ミリシーベルト/回まで上限を上げました。
 白血球の減少をするぎりぎりです。
 それでも、約4分。

 その時間内で、どれだけの仕事ができるか考えてみてください。

 みなさん、自分の健康を犠牲にして、なんとか、頑張っていてくれます。
 頭が下がります。
 ありがとうございます。
 としか、言えません。
 本当に、ありがとうございます。


 昨日の記事ですが、いくつか、表現などの修正をしました。