ちょっと待ったです。
武装解除なんて書いたんですが、世の中には、私を苦手とする人がいます。
・心にバリアのある人
・私にパワーゲームを仕掛けようとする人、
・下心のある人
です。
ある日、学生にこんな風に言われました。
「部屋に行くのが怖いんです」
「どうして?」
「なんだか、心の中まで全部見通されそうで……」
ピンポンです。
別に、私は、この写真のようなお釈迦様でも大日如来でもありませんが(笑)、前に、こんなエピソードを書いたと思います。
診療室で、カリスマ歯科衛生士(と言われていますが?)の川崎律子さんと、若い歯科衛生士さんを前にこんな話をしていました。
患者さんを呼んで、受付から診療室に入って、診療ユニットに座るまでに、患者さんの性格を読んでしまう。
若い歯科衛生士さんは「嘘~っ!」と言いましたが、二人で顔を見合わせて、「そんなの、当たり前よね!」と言うことになりました。
当たり前なんです。
いくら、心を鎧で覆っても、壁(養老孟司さんの「バカの壁」)で覆っても、見えるものは見えてしまうんですよ(笑)!
ということで、二つ目のパワーゲームを仕掛けようとする人。
私には、まったく、効き目がありません。
こういった人は、いいことを言ってこちらを釣ろうとします。
おだてたり、儲け話を持ちかけてきます。
一方で、言うことを聞かないと、「恐怖」を材料に脅してきます。
こんな映画がありました。
キアヌ・リーブス主演の「ディアボロス」です。
ディアボロスとは悪魔の意味。
アル・パチーノ扮する悪魔が、主人公にささやきます。
「一緒に、世界を私たちのものにしよう」
でも、最後の瞬間に、キアヌ・リーブスは目を覚まします。
芥川龍之介の「杜子春」では、仙人が杜子春に試練を与えます。
地獄で両親が危険にさらされそうになったその瞬間、杜子春は目を覚まします。
お釈迦様が悟りを開こうとしたとき、マーラがじゃまをします。
イエス・キリストが悟りを開こうとしたとき、悪魔がそっとささやきます。
パワーゲームの誘惑は、「私に従えば力を」「私に逆らったら恐怖を」の二者択一です。
先に書いた、リーダシップを発揮できない上司さん。
自分が、そうやって育ってきたので、どうしても、同じ事を部下にやってしまいます。
キアヌ・リーブスも、杜子春も、お釈迦様も、イエス・キリストも、パワーゲームから逃げることができました。
本当の生き方は、「報酬」か「罰」かというステレオタイプの二者択一の世界の外にあることに気がついたからです。
さて、三つ目のパターンは、下心です。
・勧誘電話
「マンション買いませんか?」「先物はどうでしょう?」と電話がかかってきます。
私が暇で、いたずら心が芽生えているときには、飛んで火に入る夏の虫です。
「マンション買いませんか?」
「電話で売り込まないと、売れないの?最近は、いいマンションは即日完売が多いじゃない?」
「……」
「どこのマンション?」
「大阪なんですけど……」
「ここは、新潟ですけど……」
「ですから、投資用として」
「どこで、私の電話番号を調べたの……?」
「秋葉原で売ってるんです」
「じゃあ、住所もわかるよね。とりあえず、パンフレットでも送って。」
「そういうのやってないんです……」
「どうして?」
「……」
「宅建の番号とホームページもあったら教えて。見とくから。」
「……」
・勧誘電話その2
「先物は如何ですか?」
「ものは何?」
「コーヒーなんですけど」
「コーヒーって先物やっていいの?」
「いやあ、そこは、蛇の道は蛇って事で」
「ふうん、で?」
「コロンビア産が儲かってますが」
「今年の天候と作付けは?」
「えっ……」
「情報ないの?」
「……」
・えせ霊能力者
「あなたのご先祖様を見させていただいております」
「ふうん、まあ、見てみて」
「あなたの背後に、お坊様と武士が見えます」
「へえ、すごいんだ」
「ご先祖様は、あなたのことを心配していますよ。この判子を買うと、ごりやくが……」
「で、どんな風に言ってるの?何宗のお坊さんかな、どこの藩の武士かな?いつの時代かわかる?」
「……」
・新興宗教編
「あなたの健康と幸せを」
「ありがとう。今、すごく幸せなんです」
「……」
「そうそう、どんなシステムで祈ってくれるの?」
「……」
「ああ、そうそう。あそこに大きな総合病院があって、病気の人がたくさん入院しているのに、どうして、そういった人を祈ってあげないの……?私はいいから、是非、やってあげて!」
「……」
いつでも、丸裸にして差し上げます(笑)。
私の餌食になった人、本当に、ごめんなさい。