山田隆文の歯医者さん日記

 パラグライダーのエリアで会ったわんちゃんです。
 みんなに、牙をむいていました。
山田隆文の歯医者さん日記

 町であった猫さんです。
 警戒心、むき出しです。

 さて、動物もそうなんですが、人も、警戒心や嫌悪感や恐怖を纏って(まとって)いる人がたくさんいます。
 (私は、そういう人を見るといじめたくなるのですが……(笑)被害にあった人ごめんなさい(謝)) 
 
 私の部屋には、多くの学生さんが来ます。
 本気で、くつろいでいます。
 まったく、警戒心もありません。
 ですから、他の先生にはとてもじゃありませんが相談できない悩み事も、何でも話してくれます。
 私の部屋に入った瞬間に、完全に、武装解除をしています。
山田隆文の歯医者さん日記

 まさに、こんな感じの学生が、昼休みや放課後には、私の部屋にあふれています。

 別に、私は何もしていません。
 でも、答えは簡単です。
 私自身が、武装解除をしています。
 敵意も、下心もなければ、パワーゲームも仕掛けません。

 犬だって同じですね。
 こちらが警戒をしていると、寄ってきません。
 でも、犬と同じ目線になって、オープンなマインドになると、自然に近寄ってきます。
 昔、富士山麓のペンションで、ビーグル犬10匹に飛びかかられました。
 もう、ムツゴロウさん状態。
 ズボンは足跡だらけ、甘噛みされた体中はよだれだらけ!
 (ちなみに、スヌーピーのモデルはビーグル犬らしいです)

 昔、山本鈴美香さんの「エースをねらえ!」にこんな会話がありました。
 「私たちは、心の棘をひとつずつ取りながら大人になっていく」

 如何でしょうか?

 私だって、いたずらをして女の子を泣かしたこともあります。
 中学校くらいまでは、拳で語り合ったこともあります。
 でも、そこで、何かを学びます。
 学べなかった人は、いたずらも喧嘩もできない、「いいこ」だったんです。
 だから、大人になって、加減を知りません。
 殴れば、自分の手も痛いんだよ!
 これは、殴った人にしかわかりません。

 逆のこともあります。
 大学を卒業して、患者さんと対します。
 口腔外科ですから、癌の患者さんも居ます。
 死を目前にした方もいます。
 患者さんや、その家族の慟哭(どうこく)を目にします。
 逃げ道はありません。
 私の心は、ぐさぐさ刺されます。
 「ブラックジャックによろしく」の齋藤君や、「医龍」の伊集院君です。

 方法は、二つあります。
 患者さんの心に真摯に向き合うか。
 逃げるか。

 もちろん、逃げる方が簡単です。
 でも、そんな医療従事者に、患者さんは自分の命をあずけてくれるでしょうか?
 私だったら、絶対に嫌です。
 でも、そんな医療従事者が、ごろごろあふれています。
 でも、そんな人に限って、「私は完璧よ!」「どうして、私を批判するの?」と思っています。
 もう、勉強なんてする必要ないと思っています。
 「医療従事者には威厳が必要なんです」なんて豪語します。
 
 でも、時代は、変わっていますよ!

 威厳は、自然に身につくものですよね。
山田隆文の歯医者さん日記

 この猫さん。
 格好いいじゃありませんか!

 さあ、心の鎧は、自分ではなかなか気がつきません。
 時には、刀や鉄砲や機関銃を構えた人もいます。
 「私の心はオープンです」と、口では言っています。
 でも、心の中では、「私の心には一歩も入れません!」と叫んでいます。
 「エースをねらえ!」の岡ひろみや、藤堂君達のように、心の棘を丸めていくためには、それに気がつく必要があります。
 カウンセリングの極意ですが、「気がつく」ことで、90%は解決をするんです。
 「あっ、いけない」と思ったら、迷わず、その棘を取り除いてください。
 それだけです。

 心の中にも、玄関も窓もあれば、居間や客間もあります。
 自分の家だって、お客さんには見せられない、パジャマが脱ぎっぱなしの寝室もあるかもしれませんし、あわててがらくたを片付けた押し入れがあるかもしれません。

 さあ、誰かの家に行きます。
 あなたは、玄関をノックしますね。
 でも、無理矢理、家の中にずかずか入りますか?

 心にだって、ノックが必要です。

 あなたが、誰かの家に行きます。
 信長の本能寺の焼き討ちではありませんから、弓矢を持って行きますか?

 それでは、お友達にはなれませんね。

 でも、同情と共感は違います。
 相手との間に、どこに線を引くかも難しいです。
 それは、ひとつひとつ、自分で経験して、ちょうどいい自分自身のスタンスを身につけるしかありません。
 「ここだよ」と教えることもできません。
 山登りと同じ。
 自分の足で、一歩一歩、着実に進んでいくしかありません。
 どんどん経験して、ぶつかって、泣いて、怒って、悔やんで、笑って、成長していきましょうね。

 ってことで、私の部屋はオープンです。
 何の気兼ねもいりません。
 だから、私の部屋には、たくさんのお客様が来ます。
 居心地がいいからです。

 でも、ご注意を。
 いたずらのトラップはたくさん仕掛けてあります(笑)。