$山田隆文の歯医者さん日記


 自立なんて書きましたが……。

 これは、山です。
 大好きな、山歩きです。
 いつも、一人で行きます。

 さあ、山登りは、自立していないと上れません。
 自立ですから、自分の足で立ちます。
 タクシーはありませんから、自分の足だけが頼りです。
 仮に、パーティーを組んで仲間と登ったとしても、やっぱり、歩くのは自分の足です。
 誰かにおんぶしてもらうなんて、まあ、無理です。
 みんな、自分のことで精一杯です。

 さて、自立は自律とも書きます。
 自律というのは、自分で自分を律することです。

 天気がいいから山に登る。
 体調や天候が悪いから、山には登らない。
 これも、自律です。

 でも、自分で判断できなかったらどうでしょうか?

 人生も、同じだと思いませんか?

 エリクソンは、人間の発達段階を示しました。
 そして、アイデンティティ・クライシスという言葉を使いました。
 アイデンティティとは、「私はこんな人間です」と、胸を張って言えることです。
 でも、トラブルにあったり、挫折をしたり、イイコちゃんで、誰かに頼って生きてきたり……。
 そして、そんなときに、誰かに助けられてきてきたり……。
 困ったときには、「なになにしなさい!」「なになにしてだめ!」。
 そんな育て方、教育を受けてきたから(って、教える方も習ってないんですけどね!)、自分の判断力がいつまでたっても付きません。
 ですから、世の中には、ニート・パラサイト症候群があふれています。
 をいをい!
 ですね。

 そんな人に聞いてみます。
「あなたはどんな人?」
「……」
 なんです!

 医療倫理学の講義で、毎年、楽しんでいます。
 今週も、こんな課題を出しました。
「3分間、自分を自己アピールしてみてください」
 ところが、みんな、3分間持たないんです。
 30秒もしないうちに、話すことが無くなってしまいます。

 教育者としては、学生のエリクソンの発達段階の程度に応じて、
・命令・禁止
・指導
・教育
・カウンセリング
・コーチング
・メンタリング
などなどと、相手によって使い分けて行かなくてはならないんですね!

「かわいい子には旅をさせろ」と言います。
 テレビでやっている、「はじめてのおつかい」ですね。

 トラブルにあって、困って、色々試してみて、経験をする。
 そこに、学びの本質があります。

 始めから答えがあったら、面白くないですね。
 結末のわかっている推理小説を読みたいですか?
 結末のわかっているプレステのロールプレイイングゲームをやりたいですか?
 だって、中古市場には、ゲームソフトがあふれています。
 それはそうです。
 最後まで行ってしまうと、満足しちゃんです。
 もっともっと、新しい刺激が欲しいんですね!

 ということで、学生さんを、ライオンよろしく、「千尋の谷に突き落としている」毎日です(笑)。