山田隆文の歯医者さん日記

 http://books.rakuten.co.jp/rb/チーズはどこへ消えた?-スペンサー・ジョンソン-9784594030193/item/1208687/

 その1は、「チーズはどこへ消えた?」です。
 一世を風靡しましたね。
 いろいろな啓蒙書を書いているスペンサー・ジョンソです。

 迷路に、二人の小人と二匹のネズミが住んでいました。
 みんなは、チーズを糧に生きていました。
 でも、チーズがどんどん小さくなっていきます。
 危機を感じたネズミたちは、迷路を探しに行き、新しいチーズを発見します。
 小人の一人も、ネズミたちを追ってチーズを見つけます。
 でも、小人の一人は不安や恐怖から動けませんでした。

 どんな教訓があるんでしょうか?

 これは、ベトナム戦争時代に使われ始めた啓発セミナー方式の応用です。
 ベトナム戦争のトラウマのために、社会復帰できない兵士達がたくさんいました。
 で、コーチングなどの手法を使ったのです。
 過去は見ないで、未来を見よう。
 これを、サラリーマンの世界に応用しました。
 そうしたら、うまくいったんです。
 古いチーズには固執しないで、新しいチーズを探そう。
 どうです?
 たとえば、車のセールスマンだとします。
 A地区でもう、お客さんがいなくなってしまったから、車が売れなくなった。
 だから、B地区の開拓して、新しいお客さんを捜そう。
 いいですね。

 でも、どうして、迷路なんでしょう?
 どうして、チーズなんでしょう?
 本当の意味をわかった人はどれくらいいるんでしょうか?

山田隆文の歯医者さん日記

 http://books.rakuten.co.jp/rb/バターはどこへ溶けた?-ディーン・リップルウッド-9784944154357/item/1336779/

 と、こんな本が出ました。
「バターはどこへ溶けた?」です。

 場所は広い森。
 主人公は、二匹のネコと、二匹のキツネです。
 ある日、ネコはバターを見つけました。
 幸せです。
 と、キツネたちも、それを見つけました。
 でも、キツネはこう考えたんです。
 もっと、バターが欲しい。
 そして、人間達のバターを盗んでしまいます。
 怒った人間は、キツネを退治してしまいました。
 でも、ネコたちは、人間達の与えてくれるちょっとしたバターで満足して、幸せな日々を過ごしました。

 面白いですね。

 二つの違いがわかりますか?

山田隆文の歯医者さん日記

 http://books.rakuten.co.jp/rb/『チーズはどこへ消えた?』『バターはどこへ溶けた?』どちらがよい本か-ダリオ・マリネッティ-9784887186255/item/1352795/

 しばらくしたら、こんな解説本も出ました。

 チーズのお話は、狭い迷路なんです。
 制限された空間で、制限されたチーズです。
 一方的な飼い慣らされたサラリーマンです。
 どうして、新しいチーズを自分で創ろうとは考えなかったんでしょう?
 牧場で牛を育て、牛乳からチーズを創る。
 生産側に変わるという選択肢はなかったんでしょうか?

 バターは、これに反して広い森です。
 バターにこだわってしまったのは、キツネです。
 チーズでは、そこにあるもので満足したのですが、キツネはより多くを求めようとしました。
 そこで、墓穴を掘りました。
 ネコはこう考えます。
 別に、バターだけが食べ物はない。
 ありのままがいちばいいんだ。

 どちらの話にも、書き手の意図が感じられます。

 でも、人生は、もっと自由に生きてもいいんですね。