宅急便が届く。
 ところが、いつもの宅配ボックスが修理中で持ち帰ってしまった。
 で、配達車の携帯に連絡をする。
 「16時から18時の間に伺います。」と、確かに言った。
 ところが、いつまでたっても来ない。
 来たのは、8時。
 訊いてみると「6時から8時と言いましたよ」とのこと。
 さあ、どこで、16時と6時を聞き間違えたのだろう。
 とにかく、2時間待たされたことには違いない。
 録音もしていないので、今更、真偽は確かめようもない。
 メールや、配達センターへの電話なら記録も残るが、ドライバーの携帯では、「言った」「言わない」の水掛け論で、らちがあかないことは確かだ。
 今度から、録音することにしよう。
 だから、コミュニケーションは難しい。
 
 ちなみに、この宅急便は、某官公庁が小泉さんの一言で民営化したところだ。
 ここ2回ばかりトラブルが続いている。
 もちろん、玄関での対応も、ちょっと気になった。
 できれば、二度と、お会いしたくない。
 黒いネコさんと白いカモメさんの宅急便では、今のところ、被害にあったことはない。
 サービスというのも、難しいものだなと思った。

 一方、今日、地下鉄で、車いすの男の子と、女の子のカップルが乗り込んできて、隣に座った。
 と、突然、手話で会話が始まった。
 ちょっとはわかるので、これから、どこへ行こうとか、どこで降りるのとか、あとは、カップルらしいラブラブのメッセージがやりとりされている。
 便利なものだなと思った。
 これも、また、コミュニケーションである。

 さあ、ここで問題がある。
 歯医者さんにも、聴覚障害者が来院する。
 私も、自己紹介と、「どうしましたか?」くらいはやれるが、細かい手話はできない。
 うちの専攻科の学生が、学位授与機構に出すための論文のテーマに、「聴覚障害者の歯科受診」を選んだ。
 日本国際歯科大会でも、ちょっと触れた。
 歯科医療従事者と、聴覚障害者に、同じ質問をする。
 特に、医師側の説明がどの程度理解したかというところで、大きな差が出た。
 聾唖者は、ほとんどが、歯科医師や歯科衛生士の説明を理解できたと回答した。
 一方、歯科医師は、自分の説明が100%伝わったというのは、2割程度である。
 聴覚障害者が、一生懸命、こちらの言うことを理解しようとして、努力してくれたことになる。
 をいをい、ですね。

 普通の患者さんに、こちらの伝えたいこととを100%伝えるのだって苦労するのに!
 まだまだ、歯科医師や歯科衛生士には修行が必要だ。