第55回日本口腔外科学会(http://www.jsoms.or.jp/)が千葉の幕張メッセで開催されています。
色々なテーマが話し合われています。
その一つで、開業している歯科医師が、口腔癌の検診をしようという試みがあちこちで始まっているというシンポジウムでした。
私たち口腔外科医は、歯だけではなく、舌は歯茎や頬など、口腔粘膜を見ることにもなれています。
だって、胃がんや肺がんなどと違って、のぞけば見えるところにある病気なんですね。
ですから、早期発見早期治療のために、歯医者さんもやらなくちゃ!
ということのようです。
でも、一つハードルがあります。
どうしても、歯医者さんは歯しか診ません。
保存や補綴などを専門としている先生方は、本当に、歯しか診ません。
でも、歯も、体の一部なんですね。
口腔外科では、全身が診れない歯科医師は、これからやっていけない時代が来ると考えています。
そうでなくても、高血圧や脳梗塞や糖尿病など、有病者の歯科治療を行わなくてはならないことが、多々ありますね。
全身のことを知らなくては、歯の治療もままならない時代になっていることは確かなんです。
さて、学会ではもう一つ仕事がありました。
日本口腔腫瘍学会(http://www.jsot.org)のワーキンググループの会議です。
こちらは、「歯原性腫瘍治療ガイドライン」を作ろうという会議です。
すでに、他のグループが、
「口腔癌取扱い規約」2010年1月【第1版】日本口腔腫瘍学会/編金原出版株式会社
「科学的根拠に基づく口腔癌診療ガイドライン」
日本口腔腫瘍学会口腔癌治療ガイドライン作成ワーキンググループ
日本口腔外科学会口腔癌診療ガイドライン策定委員会 合同委員会/編
金原出版株式会社
http://www.kanehara-shuppan.co.jp/
の2冊を出版しています。
口腔癌に関しては、日本癌治療学会(http://www.jsco-cpg.jp/item/04/index.html)が中心になって「癌専門医」の認定を開始しました。
日本口腔外科学会専門医も、この受験資格が認められるようになりました。
残念ながら、私は、現在、口腔外科の臨床の現場にはいませんのでなれませんが……。
さて、この口腔外科学会。
最近は、看護師さんや歯科衛生士さんの研究会が併載されるようになりました。
「第4回歯科衛生士研究会」では、有病者や口腔ケア、入院患者さんのケアについてのたくさんの発表がありました。
歯科衛生士さんも、どんどん職域を広げています。