$山田隆文の歯医者さん日記

 http://books.rakuten.co.jp/rb/感情力-自分をコントロールできる人できない人-フランソワ・ルロール-9784314009904/item/3625729/
 「感情力」という本があります。
 フランソワ・ルロールさんとアンドレ・クリストフさんという二人の精神科医が書きました。
 非常に面白い本です。

 さて、これまで「感情」は、まるで悪いみたいな書き方をしてきたかもしれません。
 でも、ちょっと弁解を。
 悪いのは、「感情」の「使いかた」です。
 「感情」は、私たちが生きていく上で必要なものです。
 なかったら、生きていけません。

 <恐れ>は、私たちに降りかかる危険を知らせてくれるものです。
 ローランド・エメリッヒ監督の「2012」をDVDで見ました。
 <恐れ>は重要な感情ですが、ここまでひどい危険にはどう反応するのでしょうか?
 色々な人が描かれていました。
 逃げまどう人々。
 果敢に立ち向かう人々。
 そして、最後は、自分の身を犠牲にしても誰かを助けようとする勇気。
 すごく嫌な奴に思えたロシアの大富豪のユーリ・カルポフも、最後は、子どものためにいい人になります。
 同じ監督の「紀元前1万年」があります。
 <恐れ>は、食料が取れないという危険、猛獣に襲われるという危険と隣り合わせでした。

 <怒り>はどうでしょうか?
 <恐れ>に立ち向かおうとしたとき、それは、<怒り>に変化します。
 「紀元1万年」では、最愛の女性を奪われたことが原動力となり、移民族を倒します。
 というか、どう見ても古代エジプトに見えてしまいました。
 作っていたのはピラミッドですよね!

 <嫉妬>は、自分の所有物(=自分の能力も含めて)がわかる感情であると書いたような気がします。
 他人と比べることで、自分のおかれた立場、スタンスがわかります。
 使い方によっては、まさに、マーケティングの世界です。

 重要な感情として<喜び>があります。
 何度か書いたように、これまでの世の中は、ネガティブな<恐れ><怒り><嫉妬>によって支配をしようとしてきました。
 「○×をしなければ罰せられる」です。
 でも、考え方をシフトする時代になってきています。
 「○×をしたら、褒められる」にしたらどうでしょうか?

 歯の世界にあてはめてみます。
 「歯を磨かないと、むし歯になります」
 これを、こんな風に書き換えてみます。
 「歯を磨くと、気持ちいいよね。一生自分の歯で噛もうよ!」

 「感情力」
 それは、感情に支配されることではありません。
 感情に振り回されることでもありません。
 感情と友達になって、感情を上手く使うことです。