$山田隆文の歯医者さん日記

 http://books.rakuten.co.jp/rb/PRESIDENT-%28プレジデント%29-2010年-2/15号-%5B雑誌%5D-プレジデント社-4910276530209/item/6288837/
 プレジデントPRESIDENTSの2010年2月15日号です。
 キャッチコピーにはこうあります。
 激増!「言い訳・守りに入る・逃げる人」の心理分析。
 思わず買ってしまいました(笑)。

 執着問題の続きです。
 執着問題だけに、なかなか終わりません。

 夕べのテレビ朝日系の本宮ひろ志さん原作の「サラリーマン金太郎」でも、リストラの問題が取り上げられていました。
 http://www.tv-asahi.co.jp/kintaro/
 本宮ひろ志さんの作品は、子どもの時から「男一匹ガキ大将」「大ぼら一代」「さわやか万太郎」「硬派銀次郎」「旅の途中」「天地を喰らう」「赤龍王」「雲にのる」「俺の空」……と読み続けております。
 リストラをされる社員達。
 困り果てています。
 それを、金太郎が、発想を転換させて新しい会社を作り、きっちり軟着陸させます。

 さて、リストラ。
 史上最高の失業率を更新し、新卒の内定率も低迷する今年です。

 歯医者さんも「ワーキングプア」なんてマスコミ報道をされますので、私立の歯学部の入学者の減少、それに引きずられて、歯科衛生士や歯科技工士の養成校の入学率の減少、歯科医師国家試験の合格率は2009年の試験では史上最低など、大変な事態になっています。
 現実的には、まだ、歯医者さん一人に歯科衛生士さん一人いないという、超売り手市場なんですが……。

 人には、生まれてから今まで培ってきた自分が居ます。
 環境を始め、教育や経験や、いろいろなものが土台となって出来上がったアイデンティティです。
 アイデンティティは、エリク・エリクソンが言い始めた自己同一性という表現でもよく知られています。
 つまり、「自分とは何か?」「これからどう生きていくのか?」です。
 この世に誕生し、成長する過程で自我も発達します。
 家族に保護されて、無条件の愛に満たされていた乳児期。
 言葉を覚え、経って自分で歩けるようになった乳児前期。
 そして、保育園や幼稚園で、自分と同じ子供たちが居るのだと知り、他社との関わりを体験し始める幼児後期。
 児童期には勉強することで勤勉性を学びます。
 そして、青年期になります。
 誰もが問いかけます。
 これまでは、親などに保護されて生きてきた。
 これからは、自分で人生を切り開かなければ。
 しかし、前述のように、それも過去の経験に裏打ちされた選択です。

 さあ、社会に出ました。
 自分の経験や知識がすべて通用するとは限りません。
 なぜなら、他の人は他の経験で作り出された別の人間です。
 これに、「合わせるべきなのか?」それとも「自分を出すべきなのか?」を悩むところです。
 でも、自分で起業でもしない限り、「我」を通すことはできません。
 でも、本当の自分を無理矢理抑圧して、回りに合わせます。
 そのコミュニティに受け入れられるには、そうするしかないからです。
 そうしないと、村八分になります。
 前のブログに書いた「イイコ」です。
 さて、そして、部下ができます。
 自分もそうやってきたんだから、新人にも「イイコ」になれよと指導をします。
 「我慢するのも人生さ」などと口をつきます。
 この頃になると、自分のアイデンティティではなく、コミュニティのアイデンティティが、まるで自分自身のようにすり替わっています。
 定年を迎えるまで……。

 高度成長期、定年まで同じ社会で過ごせるのならそれで幸せだったかもしれませんが……。

 神様は試練を用意します。
 人生はゲームです。
 だって、なんのイベントも起こらないゲームなんて、だれがやるでしょう。
 ちっとも面白くありません。
 敵がじゃまをして、色々なアイテムを探して、ラスボス倒してクリアする。
 だから、面白いんですね。

 さあ、試練です。
 バブルがはじけました。
 アメリカのサブプライムローン問題で、世界大恐慌状態!
 自民党から民主党へ。
 などなどなど。

 今年の就職戦線は大混乱。
 早稲田大学・慶応大学クラスでもなかなか内定が出なかったりします。
 来年のエントリーすらできないというニュースも流れています。

 さて、そんな時代になると、これまでの常識が使えなくなります。
 これまで、習慣的にあたりまえだと思っていたものが、そうじゃなくなります。
 だって、常識なんて、閉ざされたコミュニティでしか通用しないんですから。
 さあ、これまで信じていたものが壊れました。
 「わたしはこんな人です」という言うべき基盤がありません。

 アイデンティティの崩壊(アイデンティティ・クライシス:同一性の拡散とも)が始まります。
 パターンとしては二つ。
・これまでの常識が崩壊した
・無理に合わせている自分が疲れ切って、疑問を感じ始めた
 アイデンティティ・クライシスは、「自分が何者で、何をしたいのかわからない」状態です。

 でも、ご安心ください。
 これは、「はしか」です。
 誰にでも起こります。
 だって、お釈迦様が悩み始めたのは、30才。
 イエス・キリストが悟りを開いたのも、30才。
 孔子様だって「40にして惑わず」と言っています。

 変化をすることは、世の摂理です。
 卵から生まれた芋虫が脱皮し、繭を作ってさなぎになり、やがて蝶に変化した。
 ず~~~~~っと、変化しない世界の方が不思議。
 
 まずは、簡単なステップから。
 「ねばならない」という執着を手放す一つ目の手段です。
 「変化してもいいんだよ」という許可を与えてくださいね。

 変化に抵抗する方が、力が必要なんですよ。