感情についてのレッスンを。
 今日のテーマは執着です。
 執着とは、何かに心を捕らわれて、そこから離れられない事。

 題材は「カールじいさんの空飛ぶ家」です。
 ピクサーの3D映像です。
$山田隆文の歯医者さん日記

 これは、やまだおにいさんの空飛ぶパラグライダー!

 カールは、子どもの時にエリーという少女に出逢います。
 冒険家チャールズ・F・マンツにあこがれ、伝説の滝パラダイスフォールに行ってみたい!
 そして、一緒に生長し、結婚し、死ぬまで人生を共有できるって、まあ、物語の中だからでしょうか?
 なかなか、難しいですよね。
 さて、物語の前半というか、始めの15分間はそれでおしまい。
 一言も台詞はありませんが、それですべてが語られます。
 これでも、もう、一本のドラマなんですが……。
 話はここでは終わりません。
 さあ、そのあとは、偏屈なカールおじいさんが残ります。
 だいたい、残った男の方がうじうじするもの。
 この物語も、カールおじいさんは、思い出の中に閉じこもっています。
 いい思い出であればあるほどそうなるのはそうなんですが……。
 それで終わってしまっては、ただ、昔の思い出に執着した高齢者問題の物語になってしまって、お話になりません。
 当然、トラブルは起こります。
 別の見方をすれば、淀んで詰まってしまった感情を流すためには、何かきっかけが必要なんですね。
 それも、人生を左右させるようなものが必要なんでしょうか?

 第一弾!
 さあ、家の回りは再開発!
 トラブル続出。
 思い出に浸っていたいのに、周りの環境がそうさせてはくれません。
 ついに、立ち退き&養老院への強制収監!
 第二弾!
 そして、ラッセル君が現れます。

 そしてついに、カールじいさんは亡き妻との夢を求めて、風船で空に飛び立ちます。
 
 いろんな冒険はネタバレになりますので、書きません。
 執着に捕らわれているのは、カールじいさんだけではありません。
 ボースカウトのメダルの欲しいラッセルも、カールじいさんの手伝いをするという行為自体の行動規範がメダルのためになってしまって、本末転倒しています。
 パラダイスフォールの発見が嘘だろうと決めつけられてしまった冒険家チャールズ・F・マンツも、証拠を示さねばと、本来の冒険の目的を離れて、怪鳥ケヴィンを追う事に執着しています。
 でも、カールじいさんは、ラッセルと怪鳥ケヴィンの命を救うのために、思い出を手放す勇気を持ちます。
 手放すってところが大事な所です。
 みんな、いろんなものにしがみついています。
 でも、そのことに気がつきません。
 いろんなしがらみや荷物を背負って、「重い重い!」と言っているんです。
 それを手放すきっかけが風船での旅でした。
 ただ、黙っているだけでは何も解決しないのですね。
 でも、手放す事に痛みを伴うのでしょうか?
 そんなに大変な事でしょうか?
 カールじいさんも、大事な写真や家具や家を捨てるときに、過去ではなく未来を見ました。
 次の世代に自分の持っているものを伝えていくという、大事な新しい「夢」に気がつきました。
 もっと大事なものが出てきた!
 ここが大事なんですね!
 さすがピクサー。
 わかってますね!
 えっ?
 今の彼氏よりも、もっといい男が出てきたから、彼への執着が無くなった(笑)????
 それもまた一つの人生かも(大笑い)。
 さあ、みなさんは、変な執着に捕らわれて、ステレオタイプの思考に捕らわれいませんか?
 執着を手放す準備ができていますか?