先日、東京で第28回日本口腔腫瘍学会が行われました。
 私も幹事を務めておりますし、ホームページも私が作製しております。
 そこで、講師として招かれた日本放送協会(NHK)アナウンス室次長をされている渡部英美(わたなべひでみ)氏の「心を聴くコミュニケーション」という講演を聴きました。
『すごい!』の一言です。
 もちろん、話すことを20年以上専門にされてきた人ですから、プロフェッショナル中のプロです。
 たとえば、テレビ放送ですから、限られた時間枠の中で、きちんと話を治めなければなりません。
 私が前に、新潟の地方番組で歯科訪問診療をテーマにお話ししたとき(新潟UXテレビ「テレビのお医者さん」2008年6月26日放映)も、何に一番苦労したかと言えば、それは、コマ割りと時間割りでした。
 なにしろ、「この台詞を20秒で言ってください」などとお願いされてしまうのですが、ついつい、時計を見てしまいますで、「はい、視線はカメラで!」などとだめ出しをされてしまいました。
 
$山田隆文の歯医者さん日記

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 限られら時間で、最大限の情報を引き出し、まとめる。
 これは、プロでなければできない仕事だと思います。
 さらに、アナウンサーですから、当然、初対面の人に色々なインタビューをすします。
 (医療面接も英語で言うとメディカルインタビューですが……)
 その人から、警戒心を起こさせず、きちんと話したいことを話せるようにする話術、これは、すごいなあと思います。
 その講演の中で、こんな言葉が心に残りました。
 「医療関係者は『傾聴』と言いますが、『傾聴』テクニックは、最後の切り札です。
  ジョーカーを切りすぎないように!」
 私も学生にコミュニケーションの中でまさにこの『傾聴』を教えたり、本や雑誌に原稿を書いていますが、まだまだ未熟者だなあと反省させられました。