と言うテーマで書いてみたいと思います。

 とある映画監督が言っていました。
 「昔は、コンピューターグラフィックスと言うとそれを前面に押し出して宣伝をしていましたが、今では、それとはわからないコンピューターグラフィックスこそが凄いんです」
 ここに、大きな真理があります。

 キャバレーやホストクラブなど、「サービス」を求めて行く場合は別として、リゾートなどに行くことを考えてみてください。
 私たちは、何を求めて行くのでしょうか?
 普段の都会の喧噪から離れて、のんびりしたいから行くのですね。
 そこで、お仕着せの「サービス」をやっています、というのはいかがでしょうか?

 こんなことがありました。

<だめなエピソード02>旅館編

 とある老舗の旅館です。
 まあ、これはよくある光景ですが、案内してくれた仲居さんが、「非常口はあっち」だの「大浴場はどこだ」だの「お食事は何時になさいますか?」だのと、懇切丁寧に説明をしてくれます。
 さて、仲居さんが帰ってほっと一息。
 風呂にでも行こうと、手ぬぐいを探します。
 普通は、ロッカーなどの中に入っていることが多いのですが、ありません。
 あちこち探して、ようやく、とんでもない棚の上にあるのを発見しました。
 タオルはまだ別のところあります。
 浴衣も別のところにあります。

 こんな旅館もありました。
 普通は、ポットとお茶のセットが用意してあります。
 と、使い勝手の面で、色々気づいた点があります。
・ポットに水が入っていない
・コンセントの位置がわからずに探し回った
・お茶碗のセットが、なんと、ポットの裏のわかりにくい引き戸の中にあった
・お茶碗が熱くて持てない
・お湯を注ごうとすると、ポットの回りに急須を置くスペース(上下にも)がない


<すごいエピソード02>旅館編

 もちろん、すばらしい所もたくさんあります。
 とある、旅館です。
 部屋に入りました。
 お風呂のセットは、わかりやすい位置にまとめておいてあります。
 しかも、浴衣は大中小とそろっていて、自分の身長に合わせて選ぶこともできます。
 お茶のセットにはもちろんお湯が沸いていて、いつでも飲めます。
 お茶碗も取っ手があったり、厚手の二重構造で、手に持っても熱くない作りになっています。
 そこには、女将の手書きのメッセージも添えられていました。
 つまり、何も考えなくてもいいのです。
 お客さんの動線を考えて、手を伸ばせば、ちょうど、そこに欲しいものがそろっています。
 もちろん、仲居さんも必要以上に干渉しません。

<対応編02>

 01では、インフォームドコンセントが必要だと書きました。
 でも、一生懸命、説明することがサービスでしょうか?
 長旅で疲れたお客さんは、一刻でも早く手足を伸ばしたいかもしれません。
 早く、温泉に浸かりたいのです。
 そこに、長々と説明を受けます。
 話さなければ、わからないのでしょうか?
 違いますよね。
 話さなくても、わかるのが一番です。
 必要なものは、聞かなくてもわかる所に置いておいていただければいいだけです。
 行きたい所も、聞かなくてもわかるようにしておけばいいだけなんです。
 何もしなくても、自然に動ける。
 それが、目に見えないサービスだと思います。

<医療サービスに応用できるか02>

 もちろん、医療の現場でもあります。
 笑い話のようですが、こんなホームページを見たことがあります。
 「私たちの歯科医院では、インフォームドを大切にしています。」
 なんか変ですね。
 私たちは、コミュニケーションを言うと話すことと思いがちです。
 でも、基本は聴くことなんですね。
 押しつけがましい説明は、患者さんにはいい迷惑なんです。
 そのお話は、また、別の機会に。


<わかりにくいコラム01>

 よく、出張で名古屋に行きます。
 地下街は、どんどん拡張されて、何度行っても迷います。
 普通の地図は、上が来たですね。
 とある地下街で、どうしても目的の場所に行けませんでした。
 地下街の壁に貼ってある地図をちゃんと見ているのにです。
 そして、ようやく、気がつきました。
 地図の上に「南」の文字が!