ある男が死にました。
男はあの世で神様に会いました。
男は神様に言いました。
男「神様、地獄ってどんなところですか?」
神様「では地獄を見せてあげよう、ついてきなさい」

男は地獄にやってきました。
そこでは餓鬼達がぐるりと、大きな鍋の周りを囲んでいました。
鍋の中にはおいしそうなスープが煮えています。
餓鬼達はみな、長いスプーンを持っているのですが、そのスプーンの枝があまりに長すぎるために、どうあがいても自分の口にスープがうまく運べないのです。
目の前においしそうなスープがありながら、餓鬼達はみな飢えて苦しんでいました。

男「なるほど、これは確かに地獄ですね。では神様、天国ってどんなところですか?」
神様「では天国を見せてあげよう。ついてきなさい」

男は天国にやってきました。
そこでは人々がぐるりと、大きな鍋の周りを囲んでいました。
鍋の中にはおいしそうなスープが煮えています。
人々はみな、長いスプーンを持っているのですが、そのスプーンの枝があまりに長すぎるために、自分の口にスープがうまく運べません。

男「これではさっきと同じじゃないですか!」
神様「それは違う。よーく見てみなさい」

男がよく見てみると、人々は長いスプーンでスープをすくって、向かい側の人に飲ませてあげていました。
お互いがスープを飲ませあっているので、全員がスープにありつけて幸せそうだったということです。