大藪春彦の「黒豹の鎮魂歌」(光文社文庫)を読んだこういう小説上巻ウラ表紙のあらすじ紹介から。

〜京葉工業地帯開発の利権に群がった元首相と結託する男たちの非道な仕打ちで、両親と妹二人を失った新城彰。日本を追われヨーロッパへと渡った新城は、フランス軍秘密部隊を除隊後、日本人観光客の夜のガイドに身をやつしていた。心の奥底に復讐の念を燃やし続ける彼の前に、ついに仇敵の一人が現れた! 圧倒的な戦闘力と頭脳を武器に、いま孤独な戦いの火蓋が切られる!〜

 つ〜ワケで新城が悪徳政治家やその手下のヤクザをかたっぱしから殺していくワケで殺されたヤツは巻末解説によると「二百人以上はやられているだろう」いくら何でもやりすぎてえかこんなに強いヤツいるワケねえてツッコミが入りそうだがさすが大藪春彦読んでるさいちゅうはそうはならねえ。

 そして登場人物のモデルがすぐわかるトコがあってたとえば上のあらすじ紹介に出てくる元首相のモデルになったのはこないた国葬儀にされた元首相の母方の祖父でこれまた元首相で「昭和の妖怪」といわれたヤツでソレ思うと小説の中での殺されかたがイマイチもっと苦しませてやればよかったのにて気がするし端役で出てくるバリの社交界をウロウロしてる女は東南アジア某国の大統領夫人だったのをウリにしてるタレントがモデルまあこっちは笑えたね。

 まあとにかくココんトコ政治家のアキレたマネばかり見せられてるコチラとしちゃあ悪徳政治家がバタバタ殺されてく話を読んでいるとヒトサマが死ぬのを喜んじゃいけねえと思いつつも「いいぞつ‼️」て気になってくるね。

 ソレにしても大藪春彦ってその名前がついた文学賞があるしいまアクション系クライムノベル系で売れてる小説家はみんな多かれ少なかれ影響受けてるのになぜかあまり本が出てねえむかしは角川文庫で山ほど出てたのにねえまあ光文社文庫でソレなりの数は出てるんだけど映画にもなった「汚れた英雄」とかアタシが好きな「傭兵たちの挽歌」とかがその中に入ってねえなあさびしいね。

 まあとにかくココまでの話を聞いて「黒豹の鎮魂歌」を読みたくなったヒトはどうぞ読んでくんなまし上下巻とも税込み990円合わせて1980円で買えるから。