お金がなくて、どうしようもなくて...
アパートからは滞納の末追い出され、身の回りのものは売り尽くした。
あるのは丈夫な身体だけ。死を選択するには活力がありすぎる。
死ぬくらいなら、残された道がそれしかないのなら、それはいつでもできる。
決行の日にちも自分次第で、もちろんやらない選択肢もある。
ただ、最低ラインの人間らしさは保ちたい。最後のプライド。
私のそれは"人を傷付けないこと"。
迷惑や心配は掛けても、人の身体に傷を付ない。
刑務所に入りたかったとか、死刑になりたかったとかで、人に刃物を向ける人をニュースで見て、"知らんがな"と、怒り狂った。
こんな私でも、そこまで身勝手ではない。
人を傷付けることはダメ、絶対に。
このキモチだけは捨てない。自分を葬り去っても。
思いつくあらゆることをした。
たちんぼ、肉体労働、闇系?
普通に生きていたら知らなかった職種があるということ。
お金がない日は、ゴミ箱をあさった。
そこに潔癖だった自分はいない。
某ファストフードのテリヤキバーガーの食べ残しでひどい食あたりを起こした。死ぬほどの激痛にもがいた。
たちんぼは、ほぼ、いい値。
数千円の時もあった。
連休を利用した、羽目はずしの若い男の子3人に乱暴されて、撮影されて、何か薬を出された時にヤバいとダッシュで逃げた。
"死にたくない"と。
そう、死ぬのが怖い、嫌だと、思った。
死を覚悟していたはずなのに...
何度か危険な目に遭って、その都度、いつもの倍以上の力が生きることを選ぶ。
生きたい...そのことに気付いた。
この生活を抜けることを考えた。
住み込みの現場補助。肉体労働は苦ではない。
見合ったお金も手にできる。
無心で毎日を過ごした。
2年の月日。私は、必要な資格を取った。
時間はたくさんあったから、必要ではない資格も取った。夢のために。
死ぬことから、ホントは生きたいことに気付き、生きるため、夢を実現させるために勉強している。