"あの学校はどうかと思うけど?お兄ちゃんと同じ高校に決めれば?"
通学するのはアンタかよ、誘導的に志望校を変更させる理由は、アンタの学生時代の黒歴史がバレるから。
知らないとでも思った?てか、どうでもいいのに親切な大人たちが教えてくれるの。
私がそのことでアンタを責めたことがあった?
私には、たいしたことじゃなかったから。
嫌な気分はしたけど、自分に閉じ込めた。
聞かないフリをした。
私は、彼女のことをソウルメイトだと思ったの。
塾が同じて、推しが同じ、たくさん話しても時間が足りない。
頭の賢い彼女は、勉強も教えてくれた。
苦手な数学と英語を中心に、徹底的に。
なぜなら、同じ高校に通いたかったから。
先生も大丈夫って言ってくれたのに、アンタは学費を出さないとか、いい噂がないとか、とにかく反対した。
私は、泣く泣くお兄ちゃんと同じ高校に決めた。
彼女は、学校が違っても親友だと言ってくれた。
学校は面白くなく、悪いことをする友達と一緒にいるようになった。アンタの血の作用かもね。
彼女は、変わらず声を掛けてくれたけど、変わりゆく自分が惨めだった。
やがて、学校にいかなくなった。
夜遊びをして、朝は眠いから。
毎日がつまらない、つまらなすぎて。
万引き、援助交際、補導されることも増えた。
「こんなことなら、行きたい高校へ通わせればよかった。」アンタは言った。
よく言うよ。どんなキモチだったと思うの?
私は決めたわ。アンタ以上の黒歴史を作る。
アンタが嫌がること、アンタの好む体裁をぶち壊すことならなんでもやると。
まずは、同世代が集まる場所、なんだかわからない市販薬の過剰摂取、たちんぼ、そんなところからはじめようかな。