夜もふけり、辺りは真っ暗でした。



海水浴場は駅に隣接しているのですが、駐車場は離れており、線路を越えるために周囲が草むらになっている砂の道を歩いて行かなければいけませんでした。




夏も終わりに近付いていて、周りの草むらからはリーンリーンという鈴虫の声が、大音量で奏でられていました。




周りには人影がなく、10メートルおきくらいに設置されている街頭が、頼りなく道を照らしていました。





もう少しで秋だね~という話をしていました。




空のてっぺんには月が燦然と輝いていました。




「ここしかない」




月も綺麗だし、鈴虫の音色も凄く綺麗だし、周りに人もいないし…






口から心臓が飛び出そうなくらいバクバクしてました。







「結婚して、一緒に幸せになろう。」






ついに言ってしまいました。




ただ、十和さんからは






「え?」






という一言だけ。






聞こえていなかったのかな?と思い、もう一度。







「結婚して欲しい。一緒に幸せになっていきたい。
付き合ってまだ数ヶ月だけど、十和以上の人は絶対にいないし、俺は十和が好き。
ずっと一緒にいたい。」





と言ったところ






「はい、よろしくお願いします」






と返事を頂きました。



やった~という気持ちと、受けてもらえた…という安心感でホッとしました。




後で聞いたところ、十和さんの中では、いつプロポーズを受けてもOKしようと思っていたそうです。

けど、クリスマスくらいかな?と思っていたらしく、かなり早いかもな~とは思ったようでした。



ただ、自分としては、もう、これ以降は、気持ちも変わんないし、どうするかハッキリさせた上で、付き合っていった方が、気持ち的にも、親への体面的にも、その方が絶対良いでしょという理由を話しました。



いつまでもグダグダ付き合うより、結婚というケジメをつけて、一緒にいる方が良いと思うと伝えました。





十和さんも喜んでくれたみたいで、これで婚約者という位置付けになりました。




あと、聞き直したのは、聞こえなかった訳じゃなくて、もう一度聞きたいと思ったからとのことでした。 






そして、帰り道を間違えて行き過ぎてしまっていたのは言うまでもありませんね(笑)