ご機嫌取り
とりあえずバイトの面接は受けた。面接自体は苦手ではないので気楽に受けることができた。しかしそれ以降怖いという気持ちでいっぱいだ。落ちることが怖いのではない。仕事をすることが怖い。仕事で怒られるのが怖い。失敗するのが怖い。怖いからバイト不採用だったらいいなと考えている。いつからこうなってしまったのだろう。小学生の頃は進んで委員会にも入り、よりよい仕事をしようとしてた。それはいやいややっていたのではなく、心から楽しんでやっていた。何事にも挑戦的だった。それが今ではどうだろう。なにをするのも怖くて動き出すことができない。失敗したくないからできれば他の人にやってほしい。そんなことを思ってしまう。最低だと思う。こんなことを思ってしまう自分が恥ずかしい。そしてそう思いながら行動できない自分が嫌いだ。怒られることへの恐怖と何もできない自分に対する嫌悪で胸が苦しい。どうせ自分には何もできっこない。自分の行動に自信がない。だから責任を持ちたくない。大学生らしからぬ発言だ。高校生の子の方がきっとしっかりしている。私はいかに他人の機嫌を損ねないかを行動基準にしている。小学生の頃父と一緒に入浴をしていた。父にからかわれやめてほしいと言ったが、やめてくれなかったため思わず「なんでいつも自分の思い通りにならないと怒るのに人が嫌がるとやめてくれないの??お母さんもそれでいっつも嫌な思いしてるんだよ。離婚したいって言ってたよ。離婚しちゃえばいいんだ!!」と言ってしまった。それを聞いた父は激怒。私に向かって洗面器を投げてきた。その瞬間私の頭は真っ白になった。涙がボロボロ溢れて急いで風呂の外に出た。その後母も父に怒られてしまい罪悪感でいっぱいだった。今思えば明らかに言い過ぎだったし父が怒るのも無理ない。しかしその当時の私はただでさえ父が自分の思い通りにならないと怒ることに対し恐怖を抱いていたので、直してほしいと思って言ったのだ。その結果洗面器が飛んできて、悪魔のような恐ろしい顔で怒られた。怖かった。今でも鮮明にその光景を思い出すことができる。それ以来私はたとえ自分が嫌でも、父の機嫌を損ねる言動は極力しないようにしようと決めた。そのおかげかだいぶ父の機嫌を読み取るのが上手になった。どうすれば穏便に済ますことができるかも手に取るようにわかる。本当はたくさん不満がある。腹も立つし殺してやりたいとまで思ったこともある。それでもよっぽどじゃない限りグッと堪える。だって怒られるのが怖いから。それに伴い人の機嫌を過剰に気にするようになった。いかに相手を怒らせないか。すこしでも不満そうにされると萎縮してしまう。そんなことばかり気にしてるから行事や部活の仕事で、その仕事の本質が理解できずかえって怒られ萎縮して…という悪循環だった。これの積み重ねにより私は事前に言われたこと以外の行動をすることができなくなった。他人の許可なく行動するのが怖くなった。失敗して怒られるのが異常に怖くなった。父が全て悪いわけではない。だから父のせいだと言って全てを諦めるのはいけないことだとわかっている。しかし怖い。なかなか怖いという思いは直らない。でもめげずに少しずつ向き合ってくしかない。涙が止まらないけど。本当は辛いし死にたくてたまらないけど。死ぬ勇気がないのなら乗り越えなくてはいけない。まずは無理のない範囲で頑張ってみよう。