臓物大展覧会 (角川ホラー文庫)/小林 泰三
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【あらすじ】


彷徨い人が、うらぶれた町で見つけた「臓物大展覧会」という看板。

興味本位で中に入ると、そこには数百もある肉らしき塊が…。

彷徨い人が関係者らしき人物に訊いてみると、展示されている臓物は一つ一つ己の物語を持っているという。

彷徨い人はこの怪しげな「臓物の物語」をきこうとするが…。

グロテスクな序章を幕開けに、ホラー短編の名手が、恐怖と混沌の髄を、あらゆる部位から描いた、9つの暗黒物語。



【感想】


全部で九つの短編が集められた一冊。物語の関連性はなくてちょっと残念だったけど、ひとつひとつの物語はとても面白かった。

「透明女」はグロテスク満点。食事中に読んでてはじめて僕に吐き気を催させた一冊。結構態勢ついてるつもりだったんだけどなあ。

「ホロ」は幽霊たちの話。あんまり面白くなかったかな。

「少女、あるいは自動人形」短い話のわりにはよく展開ができた話。

「攫われて」も短い話なのに面白さ満点。グロさは少なく、少女たちの葛藤や友情話にハラハラさせられた。

「釣り人」は宇宙人の存在の有無を問う話で、登場人物はたった二人なのに、奥が深い作品だと思った。

「SRP」は長い物語で壮大に仕上げているわりには、なんとなーく内容が薄っぺらい感じかなー

「十番星」ラストが衝撃。

「造られしもの」はちょっと孤独な話。こういうの好き。

「悪魔の不在証明」は今までのと違ってちょっと現実的な話。これはちょと難しかったけど、面白かった。