キャット・シッターの君に。 (角川文庫)/喜多嶋 隆
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【あらすじ】


中川芹、湘南育ちの33歳。

5年前からマリーナでバイトするかたわら、キャット・シッターで生計を立てている。

依頼主の留守中に猫の世話をするという仕事がら、依頼主の人生模様をかいま見ては、一喜一憂する日々。

苦い過去を持つ芹は、恋愛には臆病だったが、新しい依頼人であるカメラマン・一郎と出会い、お互いの心の傷を知るにつれ、次第に心を開きはじめる…。

猫によって癒され、結びついていく人々の姿を描く珠玉の物語。

喪失のいたみを知る大人たちに贈る、ハート・ウォーミング・ストーリー。



【感想】


文章もたいして難しくなく、すらすらと読める作品。ただ、船やヨットの描写は、分からない人には想像しずらいかも。でも、海の清々しい描写や、毎回お酒とともに登場するおいしそうなつまみの描写はとてもよかった。

主人公、芹と、一郎が心を通わせていくのにも、柄にもなくドキドキしてしまった。猫が好きな人はもちろん、夢を持つ人。夢に敗れた人、喪失を知っている人に、ぜひ読んでほしい一冊。