KAGEROU/齋藤 智裕
¥1,470
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【あらすじ】


第5回ポプラ社小説大賞受賞作。『KAGEROU』―儚く不確かなもの。

廃墟と化したデパートの屋上遊園地のフェンス。

「かげろう」のような己の人生を閉じようとする、絶望を抱えた男。

そこに突如現れた不気味に冷笑する黒服の男。命の十字路で二人は、ある契約を交わす。

肉体と魂を分かつものとは何か?人を人たらしめているものは何か?深い苦悩を抱え、主人公は終末の場所へと向かう。そこで、彼は一つの儚き「命」と出逢い、かつて抱いたことのない愛することの切なさを知る。

水嶋ヒロの処女作、哀切かつ峻烈な「命」の物語。




【感想】


この作品にポプラ社小説大賞の2000万円の価値があるかといわれれば、僕はノーと答えるだろう。こんな中途半端で矛盾だらけな小説が、第一回ポプラ社小説賞で大賞をとった著者に失礼だと思う。

最初の場面も、主人公の喋り方から、20代くらいを想像していたら、なんと40代なんていうから、まずそこでおかしいなって思うし、移植医療ものの小説は色々あるけれど、ここまで医療の説明が不足した小説ははじめてで呆れてしまった。まるで小学生がお遊びで書いたような感じ。文章もしっかりしていないし、人物描写も風景描写も心情描写も、なにもかもが欠如している。著者が有名俳優だからって、こんなのを世に出していいものかどうか。同じ小説家を目指すものには腹立たしいことこの上ない。