天国はまだ遠く/瀬尾 まいこ
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あらすじ


自殺志願の千鶴が辿り着いたのは山奥の民宿。

そこで思いがけずたくさんの素敵なものに出逢って……。

期待の新鋭が清冽な文章で綴る、癒しと再生の物語。

感想


あっと驚くような展開はないけど、読者に安らぎや癒しを与えてくれる。文章も滑らかで流れるような感じだったので、本当にするりと読めてしまった。

田村さんの方言がとてもいい。最後の二人の会話を読んで「うわーうわー」って一人で盛り上がっていた。笑

小さな集落の自然の描写もとても素敵で、独自の考えを持って生きている人たちがいる。できることなら、その中から主要となる人を作って、なにか事件的な、大変なことが起こって……なんて展開だったら面白いんだろうけど、これはこれでいいと思う。なにもなくて、ただ主人公にとって安らいでいく日常が綴られている。それでいいのだ。また、筆者は現役国語教師らしい。人が生きていくうえで大切なことを、この本を通して伝えたかったのかもしれないね。