限りなく透明に近いブルー/村上 龍
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あらすじ


福生の米軍基地に近い原色の街。いわゆるハウスを舞台に、日常的にくり返される麻薬とセックスの宴。

陶酔を求めてうごめく若者、黒人、女たちの、もろくて哀しいきずな。

スキャンダラスにみえる青春の、奥にひそむ深い亀裂を醒めた感性と詩的イメージとでみごとに描く鮮烈な文学。群像新人賞、芥川賞受賞。



感想


村上龍のデビュー作。ずっと前、小学生くらいの頃に読もうとしてあまりの理解できない文体に挫折したことを覚えてる。色々な本を読み、様々な経験をして、ようやく読むことのできた一冊。とても感慨深いものだった。

まず、文章のほとんどが、薬によってトリップした主人公の世界観が描かれる。その世界で主人公はなにを求めたのか。タイトルの意味がそこからとれると思う。たまあに、死にたいなあ、とか、鬱病にでもなりたいなあ、とか、薬使ってみたいなあ、とか、大人になってからでしか分からないことを思い描くことによって、本書をはじめて理解できるんだと思う。いつかこんな自分と重なる悲観的な小説を書いてみたい。