- 七つの怖い扉 (新潮文庫)/阿刀田 高
- ￥420
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あらすじ
ラスト1行で戦慄させる秘術。
彼岸と此岸を行きつ戻りつする朧ろな語り口。
恐怖のなかに悲しみを織り交ぜる巧緻。
7人が7様のテイストで描く書き下しホラーの競作。
感想
あっという間に読める短編集。ラストの二、三行で「……怖っ」てなるのがいい感じ。どの作品も楽しめた。
鈴木光司の「空に浮かぶ棺」だけ、リングのオムニバスって感じで微妙かなって思ったけど、ほかのやつは本当に怖かった。阿刀田高の「迷路」、高橋克彦の「母が死んだ家」、小池真理子の「康平の背中」は、誰が読んでもぞくぞくっとくるものがあると思う。宮部みゆきの「布団部屋」、乃南アサの「夕がすみ」は、なるほどね、と感心できる作品で、夢枕獏の「安義橋の鬼、人を噉らふ語」は摩訶不思議な感じで面白かった。
七つシリーズは、手軽に読めて、それでいて面白みがあるから、もっと七つシリーズが出てほしいかな。