首挽村の殺人/大村 友貴美
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あらすじ


岩手県の雪深い村、鷲尻村。

無医村の状態が続いていたこの村に、東京から待望の医師、滝本志門がやってきた。

しかし、滝本の着任以後、村では謎の変死が立て続けに起こる。

それは、殺害後の遺体を異様な形で人目に触れさせるという、前代未聞の連続猟奇殺人事件だった。

この村が「首挽村」という不吉な名前で呼ばれる理由とは?

村人すら忘れかけていた忌まわしい過去が、事件の真相を浮かび上がらせる―。

第27回横溝正史ミステリ大賞大賞受賞作。




感想


なんとも横溝正史ワード満載のこの新人作品。題名がとても魅力的で、思わず衝動買いをしそうになって、ちょっと待て、図書館にあったかな?と考えて、図書館で借りて読んだ。結果、正直に言う。ものすごくつまらなかった。内容が遥にタイトル負けしているというか、うすーいミステリ的なことは起こっていくが、どれも土台がしっかりしていない感じ。あと少しで読み終わるんだけどまだこんな状態でいいのかな?と読者が心配してしまうように話が進んでいき、そして急展開。それもすっごく唐突。「え?これで終わり?事件解決したの?」って感じ。

それから、選評でも見られたが、人物描写が稀薄で、誰が誰だがわけがわかんなくなる。とくに女性たちの区別つかないし、刑事たちの名前と役職だけ書かれても、人物像が頭に浮かんでこない。これ、ミステリや刑事ものが好きな読者だったら多少は分かるかもしれないけど、はじめてミステリを読んだという人からすると絶対分からないと思う。あと熊の存在いらなくね?

とまあ、色々描いたけど、ここまで失望させてくれた作品ははじめてかな。いい意味で読んでよかったと思ったよ。でも、次回作を読む気にはなれない。図書館で借りて読んでおいてよかったあ。