まちかどエッセー最終回
河北新報 夕刊での4ヶ月間のエッセー連載も
今日で最終回となりました!
最後までお読み頂き本当に有難うございます。
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まちかどエッセー最終回『まちの美術室』
今年の春先、姪(めい)が中学生になった。
ランドセルなど思い入れのある用具を整理した姉は、私に絵の具を差し出した。
姪の名前が書かれた、ずしりと重い12色の絵の具セットと白いパレット。
そのあまりの使用感の無さに衝撃を受けた。
確かに私は絵を描く仕事だからありがたいのだが、この絵の具は姪に使い切ってほしかった。
もう絵は描きません、とも言われたようで何だか寂しかった。
小中学校の時間割で、美術や図画工作の時間は1週間で2時間程度。
これらの科目を学校以外で教わる機会はあまりないのではないか。
国数英などは学校外では塾という頼もしい存在がある一方、美術・図画工作の教科がある塾は聞いたことがない。
子どもたち自身がものづくりをしたり、多様な画材に触れたりする機会や場所は、絵画教室や、イベント的に開催されるワークショップくらいかもしれない。
私は今でこそイラストレーターとして日々絵を描いているが、美術教育は学校での授業くらい。
美大に入ったものの絵は一切描かない学科だった。
そのため私は独学で、画材も昔使っていた習字道具だったり、マニキュアだったり。
画材になりそうなものをいろいろ試した。
社会人になってからは、アクリル絵の具や日本画セットなど、画材屋で気になる画材を買っては使ってみた。
画材や技法はそれぞれに面白い。
しかし、個人でこのように試みるのは苦労も伴う。画材はそう安くない。
それ以上に、やはり誰かにちゃんと教わりたい。
カルチャースクールにも通ったが、生活に余裕がないと厳しいと思った。
子どもならなおさらだ。学費はもちろん、塾に通っていれば月謝を払い、さらに絵画教室も、と気軽に払える家庭はどのくらいだろう。
もしかしたら、学校や家の外(地域)に子ども食堂ができたように、美術室もまた地域に根ざす存在なのかもしれない。
プロアマ関係なく、ものづくりの面白さを知る大人たちが活躍するはずだ。
「まちの美術室」なんて、どうだろうか?
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<バックナンバーあります>まちかどエッセー
私が身をもって経験した事、感じた事を込めました。
私には子供もいませんし、見当違いなところもあるかもしれませんが、
もし「まちの美術室」があったら。
老若男女、その地区ごとのコミュニティができそうだなあ。
教え合い、学び合い、もっと広く深い視野で美術を楽しめそうだなあ。
と、思います。
将来の夢の一つでもあります。
お付き合い頂き有難うございました!
ico.