今日は通信受講生の方から、非常に勉強になるご質問を頂きました。
「日商簿記3級」の受講生の方が皆さん最初に躓かれる部分で、多分、質問しづらい部分です。
簿記の初歩の初歩の部分であり、「こういう基本的なことを訊いたら怒られるのではないか?」と皆さん遠慮して、訊いてこられない部分でもあると思います。
そんな中、勇気を持って質問して下さった通信生の方に大変感謝すると共に(なぜ感謝しているかというと、私もここがわからなかった時代のことを、すっかり忘れてしまっていたからです。初心に戻して頂いて、有難うございます)、このブログをご覧の皆さんの中にも、同じような件で悩んでいる方がおられるのではないか?と思い、ご参考までに回答と共に掲載させて頂くことにしました。
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(以下、頂いた質問に対するICOからの返答です。)
1.ご質問の仕方について
まず、ご質問のやり方ですが、例えば「決算予備手続とは、自分は決算の前に行う仕訳の整理のことだと思うのですが、先生それであっていますか?」というように、まずご自分で考えた結論を先に書き、その正誤を先生に問うようにしてください。正しければそれで良いし、誤っていれば正答と、その理由を先生がお答えします。
理由は、「まずはわからないなりに自分で考えてみる」ことが大切だからです。「わからない!」と思ったら即・丸投げ質問、ではこの先の成長がなかなか見込みづらいです。わからなければDVD-Rの授業の該当箇所を何度も聴いて、自分で「こうかな?」「これは、こういうことを言っているのかな?」と考えてみることが大切です。
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2.日商簿記3級受験用テキストP11の勘定科目の振り分けのルールの理屈と「芋づる式にわかる」という意味について教えてください。
【回答】
勘定科目の振り分けのルールは、以下のようになっています。
・貸借対照表【B/S:一定時点(例:期末12/31)における財政状態を明らかにするもの】
資産グループ:増加は借方に、減少は貸方に記入←これだけ覚える!
負債グループ:増加は貸方に、減少は借方に記入←資産の反対
純資産グループ:増加は貸方に、減少は借方に記入←資産の反対
・損益計算書【P/L:一定期間(例:1/1~12/31)の経営成績(どの程度儲かったのか)を明らかにするもの】
収益グループ:増加は貸方に、減少は借方に記入
費用グループ:増加は借方に、減少は貸方に記入
会計期間で締め切ってしまう性質のもの(P/L項目)か、翌期まで引きずっていく必要があるものなのか(B/S項目)で区別してください。
※初心者は資産の増加と収益の増加を混同しがちなので要注意です。
まずは「資産」が増えれば借方(左側)が増えるということを覚えて下さい。他のB/S項目は反対です。→これが芋づる式にわかるという意味
次に、「収益」が増えれば貸方(右側)が増えるということを覚えて下さい。他のP/L項目は反対です。
このことに関して「なぜなんだろう?」と考えてはいけません。日本全国、そういう共通のルールが決まっているので何人たりともそれに従わざるを得ないのです。
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3.P12「point up lesson3」の具体的な解説(カッコ書きがない場合について)
【回答】
point up lesson3は、「カッコ書きに基づいて」仕訳帳に記入して貰う問題です。
第1回の講義時点では細かい内容をまだ学習していないため、この時点でカッコ書きなしで回答することに意味はありません。この出題の意図は、「カッコ書きに基づいて」借方と貸方に「何をどのように入れるべきか」を見よう見まねでやって頂くことにあります。
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このテキストには単元毎に問題がついておりますが、「この問題をなぜ今ここで、解く必要があるのか?」「なぜ今、このような問題を解かせるのか?」を考えて頂くと光が見えてくるのではないかと思います。
闇雲に解こうとすると、辛いだけですので、一歩立ち止まって、「出題意図は何なのか?」を考えて頂くと勉強が楽しくなるかと思います。
なお、こういう仕訳の場合、まずわかりやすく動いているものに着目します。
12月1日であれば、現金500,000円を元手に開業したというのですから、500,000円分の資本金(貸方)が増えます。相手科目は現金500,000円が入ります。
まだ細かな勘定科目がわからないでしょうから、第4回あたりまで学習が進んだ時点で、再度point up lesson3を「カッコ書きがないものとみなして」解いてみて下さい。
差支えがなければ採点しますので、第4回後にメールに記載してお送り下さいませ。
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4.P16、17、18ページの具体的解説(書き入れ方とその詳細な説明について)
【回答】
まず日付に沿って仕訳を記入します。仕訳を記入後はどうなるかはP205に明示してありますからご参照下さい。
この仕訳を総勘定元帳に転記します。
転記する内容は3つです。日付、相手勘定科目、金額。
日付:そのまま記入します。
相手勘定科目:現金の総勘定元帳であれば、摘要欄に相手勘定科目、8月1日なら「資本金」を入れます。
相手勘定科目を入れる理由は、相手勘定科目を入れなければ何についての取引なのかわからないからです。
金額:仕訳で借方に書いてあるものは借方に、貸方に書いてあるものは貸方に記入します。
上記の規則性に沿って、P206の解答の現金欄をご覧下さい。
どの仕訳がどのように転記されているか、勘定科目ごとに色鉛筆等で色分けをしてみるとわかりやすいですよ。
この作業は時間がかかってもかまいませんから、ご自分でしっかりやってみてくださいね。
簿記は自分の手を動かさないと、理解できない事が結構多いんだなあ、ということを実感して頂ければと思います。
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5.P15「point up lesson4」の具体的解説
【回答】point up lesson4も、まずは「カッコ書きに基づいて」仕訳帳に記入をしてみて下さい。
総勘定元帳の転記方法を学習して貰うための問題ですから、仕訳がわからなければP205の解答から転記してもらってもかまいません。
仕訳の細かい内容は、第2回目以降で学習していきますので、今はわからなくて問題ありません。
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6.P24「point up lesson5」の詳細な解説(カッコ書きがない場合の詳細な説明)
【回答】point up lesson5も、まずは「カッコ書きに基づいて」仕訳帳に記入をしてみて下さい。
総勘定元帳の転記のやり方は、上記のとおりです。例として「現金」勘定を使います。
その後、総勘定元帳の現金の借方合計を合計試算表の借方に入れます。
また、総勘定元帳の現金の貸方合計を合計試算表の貸方に入れます。
最後に、合計試算表の現金の借方-貸方額=残高、を残高試算表の現金の借方に入れます。
・合計試算表:元帳の各勘定の借方合計、貸方合計を一つの表にまとめたもの。
仕訳の合計額と必ず一致。また借方合計、貸方合計が必ず一致する。
・残高試算表:元帳の各勘定の借方残高、貸方残高を一つの表にまとめたもの。
仕訳の合計額とは一致しない。ただし借方合計、貸方合計が必ず一致する。
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7.P27の参考 決算予備手続、決算本手続、決算報告手続の意味
【回答】
・決算予備手続=決算を行う前に整理しておなければならない前準備です。
1.試算表の作成
2.棚卸表の作成(修正すべき事項を一覧表にしたもの)
3.精算表(Work Sheet)の作成
・決算本手続=会社で経理部の人がよく口にする「決算」のことで、当期の利益を算定するための手続きです。
1.決算整理手続
2.決算振替手続(損益振替・純資産振替・残高振替)
3.各帳簿の締切
4.繰越試算表の作成
・決算報告手続=当期の利益を算定したものを、表にして外部に報告することです。これを元に、投資家が株を購入したりするのです。
1.損益勘定からP/L作成
2.残高勘定or繰越試算表からB/S作成
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8.第一回講義録4枚目④の決算整理後の残高試算表の「切る」と書かれてある部分の「純資産グループ」「当期純利益」の区分けについて
貸借対照表:
資産グループ-(負債グループ+純資産グループ)=当期純利益→当期純利益が差額で算出される、という意味です。
損益計算書:
収益グループ-費用グループ=当期純利益→当期純利益は差額で算出されます。
なお、当期純利益は貸借対照表から出しても損益計算書から出しても同額となります。
逆に同額でなければ、どこかの計算手続きが間違っていた、ということになります。
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9.仕訳について
【回答】
仕訳とは、「簿記上の取引を、一定の言葉(勘定科目)と金額によって仕訳帳に記録するもの」です。
仕訳は日本全国、誰が記録しても同じでなければならないため、一定のルールがあります。
そのルールとは、
・仕訳の左側=借方(かりかた)
・仕訳の右側=貸方(かしかた)
・貸借同額の原則、です。
↓念のため、こちらも参考になさって下さい↓
http://ameblo.jp/ico-staff/entry-11986075287.html
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通信生の方の生真面目で誠実なお人柄が滲み出ているご質問だと感じました。
こういう方にこそ合格して頂かなければなりませんよね!!
井ノ川先生、講師の皆様、頑張りましょう!!!
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以上が、ICOスタッフブログの全容です。
当該受講生の方は非常に素直な方で、
すぐにご返信をきうださいました。
返信に感謝を述べられると同時に、内容についても、
「自分で一度考えてから自分なりの答えを用意する。
そしてそれに基づいて質問してみる。」
という私どものアドバイスをこれから実行してみると書いてくださいました。
私は再三言っていますが、
質問はどんどんして頂いて構いません。
質問が出てくるということは、学習をしているという証拠ですから。
しかし、質問も、
・意味のある質問
と、
・意味のあまりない質問
に大別されてしまい、後者の場合、あまりご本人が深く考えずに
質問を投げかけてしまった故に、
返答内容からの学びも薄いものになってしまいます。
ですから、長いご質問大歓迎!
しかし、ご本人の合格のために、質問の仕方のコツ・ポイントから
当該受講生にはご指導させて頂いたといういきさつです。
このような受講生の存在は、私の合格へのやる気に更に火をつけてくれますね。
ICOだからこそできる心配りであり、
ノウハウの伝授であり、
手取り足取りの指導なわけです。
受験への向かい方が分からないからこそ
私たちプロがいるわけです。
どこまでも受けて立とう、お役に立とうと思います。
