結論もオチも無い取り留めの無い話。

 

ガーナに来て、タマレに本赴任してからずっと感じていたある違和感。

 

これまでタマレ周辺の地図にも載っていない村を100以上も訪れ、その度に増して行った違和感。

 

今日も幾つかの村を回ってそれを感じていた。

 

電気、ガス、水道は勿論無く、モバイルネットワークも不安定で、買える物は殆ど無く生活するにはめちゃくちゃ不便なのに、何故そんなに幸せそうなのか、笑顔なのか。

 

知らない外国人が困っていたら助けてくれる心の余裕は何処から来るのか。

 

方や生活インフラは安定し、物は豊富で何処でも何でも買え、物の品質は高く、何を食べても美味しく、公共交通機関は時間通りに運行し、サービスは過剰にユーザ優位の日本に住む日本人は幸せそうでもないし、笑顔が少ないように感じる。

 

ガーナに来たばかりの頃は日本の感覚が抜けずイライラする事ばかりだった。

 

物を買えば直ぐに壊れ、自転車を買った時は各部品が壊れ過ぎて1ヵ月で原型を留めず殆どの部品を交換する羽目に。

 

それでも毎回購入した自転車屋が無償で直してくれ、他の自転車屋ですらも無料や激安で直してくれる。

 

物は壊れるのが当たり前で、助け合いが前提なのかもしれない。

 

接客態度は日本の感覚だったら信じられないくらい酷く、携帯電話で話しながら接客したり、買った物を放り投げる。

 

日本でこれをやったら激怒する客も居るだろう。

 

日本での接客は品質が高いようで機械的で冷たい感じがあるのに対し、ガーナでは友達感覚で自然な笑顔で接して来る。

 

全てに完璧を求める日本からすると信じられないかもしれないが、ガーナではこれが当たり前。

 

完璧を求める事が果たして幸せに繋がるのか。

 

東京、千葉、神奈川に20年も住んでいれば経験する電車の遅延、朝の通勤時間に驚く程腹を立てている人を見掛ける。

 

2,3分遅れただけで謝罪のアナウンスをする車掌。

 

今思えばそんなに謝るくらい悪い事をしているんだろうかと疑問だし、ある種異様な世界に見える。

 

ガーナでは1,2時間待つのは当たり前で、日本の感覚で言ったら命を持って償わないといけないレベルか。

 

10分遅れだったら今日は早いな、ラッキーだと思えるのがガーナ。

 

日本とガーナで何が違うのか考えてみると、何をするにも日本は期待値が異常に高く(と言うか期待値が100点)、ガーナでは期待値が低い。

 

その期待値に対して、日本では減点方式、ガーナでは加点方式で物事を考えている。

 

100点から不備がある毎に減点されて行けば満足度を上げるのは難しく、幸せを感じたり笑顔が出る訳が無い。

 

加点方式では少しでも良い事があれば加点されて満足度が上がり、幸せを感じたり笑顔になる。

 

言うまでも無く日本の方が生活し易いし、日本に住みたい。

 

ただ、何もかもが揃ってそれが当たり前になって来ると、その当たり前が崩れた時に幸せになれないのかもしれない。

 

昔の日本も加点方式だったと思うが、いつから減点方式になってしまったんだろう。

 

何かの閾値があるのであれば是非知りたい。

 

現在学校で活動していると、日本で当たり前だった事でもガーナでは当たり前ではない事を多く目にする。

 

日本では学校がある事が当たり前で、小中学校は義務教育として通い、自分は高校、大学、大学院まで進ませて貰った。

 

高校以降は授業をサボる事もあり、今振り返ると後悔しかない行為だった。

 

ガーナでは学校に通える事が当たり前ではなく、義務教育の小中学校ですら家庭の事情で働かされたり、費用が払えず通えない子供も居る。


それ以降の高等教育を受ける事は金銭的な問題で更に難しい。

 

日本では教科書、文房具等の学ぶための道具は揃っているのが当たり前。

 

ガーナでは教科書が無いのが普通であり、文房具を持っていない学生をたまに見掛ける。

 

日本では校舎があり、机、椅子があるのが当たり前、今では冷暖房完備。

 

ガーナでは学校によっては校舎の壁が無い、屋根すら無い青空教室のような環境もあり、机、椅子が揃っていない場合もある。

 

日本のドキュメンタリ番組で見たような光景が目の前にある。

 

恵まれた環境の日本の学生が幸せで、恵まれない環境のガーナの学生が幸せではない、と言うとそうでもない。

 

ガーナ人の学生の方が自然に笑っているように感じる。

 

物質的な豊かさが幸福度や笑顔に繋がる訳ではない、と言う違和感を感じ続けてガーナで暮らしている。

 

それでは、日本で幸せを感じる、笑顔になるにはどうすれば良いのか。

 

綺麗事を言えば、常に当たり前の事に感謝しようと言う事だと思うが、日本で暮らす日本人にそんな意識変革は難しい。

 

当たり前が当たり前ではない事を理解した今の自分が日本に帰国すれば、一時的には幸せを感じられるんだと思う。

 

しかし、それは日本に慣れるまでの一時的な恩恵であって、いつの間にか戻ってしまっているかもしれない。

 

この帰国直後の状態を一般化出来れば自分の生活を豊かに出来るんだと思う。

 

帰国する10月上旬までにはこの違和感に対する答えが見付かると良いんだが、もっと多くの体験をしなければここから先には進めない。

 

また答えが出なさそうな課題を抱えてしまった。。。

 

 

 

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