真緒は、あの4人の女子たちにちゃんと話を聞くことにした。話しかけたくない雰囲気だけど、このままでいいわけ無い。
蘭が、いつものようにしているのを自分から壊す気はなかった。
昼休みにトイレに行くと鏡前に4人はいた。
真緒から聞くまでも無く、周りを取り囲むようにしてきた。
不敵な笑みを浮かべて前と違う子が、まだわかってない?と、言ってきた。
だから来たのに と思いながら真緒はうなずいた。
球技大会の朝、蘭の彼氏と見つめあっていたところを見たから、と言う。
それに蘭に、自分の目を見てきたって真緒が自慢したって、聞いたと言う。
それが、理由。
本当なら、馬鹿げている。
あの時、朝から腫れてた目を見てたんだから。多分。そんなこと、確認できるわけもない。
もう、あっちも忘れているようなことで自分は悩んでいなければいけなかったのかと、あきれた。
何より、蘭は派手彼氏が真緒をちょっと見てただけで、真緒に興味があるとか考えてたのは本当のことだろうかと思う。
本当なら言葉が足りなくて蘭に嫌な気持ちを抱かせていたなんて、後悔しかなかった。
でも、もう真緒の悪口が広がっていた。
何人かのクラスの女子が真緒を避ける様。
軽蔑の眼差しで見られている感じだった。
真緒には弁解しようも無いことだった。
蘭のことを気に入って、他人事に首をつっこんできた4人の女子たちに憤りと嫉妬が入り混じる感情を覚える。
蘭はあんな子らを味方にしたことは明確だから。
ありもしない、うわさ話の対象になった真緒は学校にいるのが嫌になった。
あれからも蘭は何も言ってこないし、真緒を裏切りもののように噂する女子たちには無視されていた。
それに、あの日から真緒の気に入ってた可愛い子もうわさ話の仲間に入って睨んでいるように見てくる。
ずっと仲良くしたい蘭は、自分ではなく部活もしていない暇で、不確かな情報で人をおとしめる様な女子たちといることを選んだかと思うと、やる気をなくした。
クラスでいつも仲良くしてくれる女子たちは、真緒を気遣ってくれる。
真緒がかわいいから妬いてるのよ と、いつも守ってくれるようにいてくれる。
それなのに自分は何となく話を合わせているだけと思っていたなんて、ひどいと思う。
それでも、そんな自分の状態になった本当の理由は話してなかった。
申し訳ない気持ちだったけど自分のことで精いっぱいだった。
部活に行くのが休息の時になった真緒は、集中する事でいつものストレスを発散していた。
家に引きこもれる様な身分ではないし、毎日嫌な思いの連続で暴力的になりたい気持ちを竹刀に込めた。
竹刀を自在に操る先輩はやっぱりかっこいい。自分が思っていたより部活は楽しいもので、そこに蘭はいてくれたらよかった。
もとは蘭の誤解だったと思うけど、真緒の環境を悪くしたのは、あの4人の女子たちで、でも、蘭のことを好きというところは同じだった。
蘭は、どこまでも魅力的な子に思える。
どうしたら、あんなに誰とでも仲良くなれるのか真緒は、ずっと見てきたのにぜんぜん真似など出来なかった。