detective Ⅳ。29 | 智つぼ。~ワタシの好きな大野くん、時々アラシ。

智つぼ。~ワタシの好きな大野くん、時々アラシ。

『えっ?!大野くんのそんなとこが好きなの?!』と周りから言われる、ワタシのツボや萌えポイントを、思いつくまま書いている智つぼ。(さとつぼ。)です。



その髪ゴムを買った人...分かりませんか?


この髪ゴムは...友人に頼まれて作ったモノで

全部で6個作った。友人が4個持ってった残りを

フリマに出した。

だから誰が買ったかは...分からない。


もし...お願い出来るのであれば...

そのご友人に4個の髪ゴムの所在を

聞いて貰えませんか?


...聞くのは構わないが...どうして?


あぁ...名乗るのが遅れてすみません。



ジーンズのポケットから名刺入れを出し

1枚水上に渡す。



大野探偵事務所の大野と申します。


...探偵...。


今...この人を探していまして。

手がかりが...この髪ゴムだけなんです。


...手がかりが...俺の髪ゴム...。



事情を水上に話すと...

少し考えた水上は『ちょっと待ってて』と

言って店の奥に入って行った。



携帯を手に戻って来た水上は

俺達の前で電話をかけ始めた。



携帯をスピーカーにして

テーブルの上に置く。

数コールで相手が電話に出た。



『カイ?どした?電話なんて珍しいな。笑』


忙しい所悪い。今いいか?


『おぅ。構わねぇよ?』


5年前...お前に頼まれて作った髪ゴムあっただろ?

アレ...今どこにある?


『え?髪ゴム?.....あぁ!アレか。

あれならまだ娘が持ってるぞ。』


4個とも...全部か?


『おぅ。4個とも全部だ。

すげぇお気に入りでよぉ。

今も大切に使ってるよ。』


...そうか...。

急にすまなかったな。ありがと。


『いや。カイ、今度また飲みに行こうぜ。』


ん。

都合いい時連絡して。じゃ。



水上が通話を切った。



その方の娘さんとは...。


髪ゴムを作った時は確か4歳。

だから今は9歳だな。


9歳...。



どう見てもあの不審者が9歳には見えない。

と言う事は...あの不審者は残り2個を

フリマで買った奴...と言う事になるな。



今...思い出したんだが...その髪ゴム...

一個なら買って行った奴が分かる。


え?ホントですか?


...名刺貰ったから。


名刺?



そう言って水上は名刺ファイルを持って来ると

パラパラとめくり始めた。



...この人。



見付けた名刺をファイルから取り出し

俺に差し出した。



株式会社『楽-RAKU-』の二宮...和也...。



二宮と同姓同名で...一瞬ドキッとする。



フリマで俺の作品を見て気に入ってくれて...

その髪ゴムを1個買ってくれた。

それがきっかけで...二宮さんの会社の

イベントに参加させて貰う様になったから。


...そうなんですね...。

水上さん。こちらのご連絡先...

写真撮らせて頂いてもいいですか?


構いません。



水上に断り名刺を写メする。

残りは...1個か。



残りの一つを買われた方は...

どんな人だったか覚えてませんか?


二宮さんで思い出したんだけど、

もう1個も...男が買ってった。

髪ゴムなのに残り2個とも男が買ったから...

何か面白いなって思ったのを思い出した。


残りの一つを買ったのは...男...。

有力な情報をありがとうございました。

お時間取ってしまいすみません。


いや...。別に。

...見付かるといいな。その人。


はい。

ありがとうございました。



水上に礼を言って工房を出た。






To be continued.