付喪神奇譚 Ⅱ。123 | 智つぼ。~ワタシの好きな大野くん、時々アラシ。

智つぼ。~ワタシの好きな大野くん、時々アラシ。

『えっ?!大野くんのそんなとこが好きなの?!』と周りから言われる、ワタシのツボや萌えポイントを、思いつくまま書いている智つぼ。(さとつぼ。)です。



顔に...暖かい何かが落ちて来た。

ゆっくりと...瞼を開くと...空が見える。



...空...?

何で...空が...見えるんだろう...?



俺は...何処に居るんだ...?

何処で...何を...してたんだっけ...?



状況を確認しようと...

ゆっくりと体を起こした。



だけど...あまり体に力が入らず...

フラフラする...。

何だろう...この...感覚...。



軽く頭を振って...ゆっくりと顔を上げた。

その目の前に...誰かが...倒れてる。



倒れてるのは...二人...?

その二人に...駆け寄る背中が...二人...。

あれは.....誰...?



何も聞こえなかった俺の耳に...

誰かの...泣き叫ぶ声が...聞こえる。



嫌だっ!!智っ!翔ちゃんっ!

目を開けてよっ!!


何で?!どうして?!智っ!!翔っ!!



.....さとし.....しょう.....?



泣き叫ぶ二人が呼ぶ名前に...

ピクリと反応する。



さとし...しょう.....智.....翔.....。



.....おお...の.....さん.....?



俺の口から零れた名前に...

目の前の状況が...ハッキリと見えて来た。



何故...大野さんが...倒れてるの?

側で泣き叫んでるのは.....もしかして.....

大野さんが言ってた...付喪神...?



状況は見えて来たが...理解出来てない。

今...何が起きてるの?

何で...俺に...付喪神の姿が見えるの...?



力の入らない体を必死で動かし

這いずりながら大野さんに近付く。



大野さんは...倒れたまま...

ピクリとも動かない。



何で?何で?

...一体...何が起きてる?



後少しで大野さんに近付ける所まで

這って行った時。

泣き叫んでいた二人が...横に吹き飛んだ。



...え...?



二人は...地面に倒れて...動かない。

...一体...何が起きた?



大野さんを振り返ると...

大野さんの隣に...誰かが立ってる...。

...あれは...誰...?



その人は...大野さんを足で蹴る。

ゴロリと仰向けになった大野さんは...

それでもピクリとも動かない...。



【人の情とは...厄介なモノだよなぁ】


...え...?


【コイツは...お前らを守って死ぬんだ。笑】



...大野さんが...俺らを守って...死ぬ...?

この人は...何を...言ってる?



【コイツを殺して...四宮を終わらせる。

一気に根絶やしにしてやるわ。笑】



そう言って...その人は...

持っていた刀を...大野さんに向けた。



...え?...大野さんを...殺す...?



【四宮を根絶やしにすれば...

この世は再びアヤカシの世になる。笑】



...や...だ...。



その人はニヤリと笑って俺を見た。



【お前も...俺のモノになる。笑】


...嫌...だ...。


【コイツを始末したら...

ゆっくりとお前を味わってやるからな。笑】


.....めて.....止...めて...。



涙が溢れて来る。

嫌だ...大野さんが...死んじゃう...。

そんなの...絶対に...嫌だ...。



【お前の息の根を止めたら喰ろうてやる。

お前も俺の糧になれ。四宮の。笑】



そう言ってその人は...

持っていた刀を振り上げた。



やだ...嫌...だ...止め...止めてぇっ!!



俺は泣きながら大声で叫んだ。






To be continued.