半分。17 | 智つぼ。~ワタシの好きな大野くん、時々アラシ。

智つぼ。~ワタシの好きな大野くん、時々アラシ。

『えっ?!大野くんのそんなとこが好きなの?!』と周りから言われる、ワタシのツボや萌えポイントを、思いつくまま書いている智つぼ。(さとつぼ。)です。



...久しぶりだなぁ...坊主。笑

...何で...親父の墓に...。

まさか...
お前がアイツの息子だったとはなぁ。笑

...親父の事...知ってんのか...。

まぁな。笑
だから...線香あげに来たんだよ。


そう言って...
絵描きは親父の墓に手を合わせた。


坊主。
...絵は...描いてんのか?

.....描いてる...。
スケッチブックに...こっそりとだけど...。

...そうか...。笑


俺の答えに満足そうに笑うと
絵描きは俺をじっと見つめた。


ふふっ...どことなく...アイツの面影あるな。
やっぱり親子って事か...。笑


絵描きは嬉しそうに俺を見つめて笑う。


...智。

...っ...名前...。

あぁ...アイツから息子の名前は聞いてた。
それがお前だとは知らなかったけどな。笑

...なぁ...アンタと親父って...


絵描きに親父との関係を聞こうとしたら...
絵描きは突拍子のない事を言った。


...智...また...絵を描かないか?

...っ.....そんなの...無理だ...。

...何故?

...何故?
だって...俺は.....

組長だからか?

...っ...知って...

アイツが大野組の組長だった事も...
アイツが死んで...お前が組を継いだ事も...
全部知ってるよ。

...知ってるなら...尚更だろ...。
絵は...描けない...アンタの迷惑になる...。

...俺の迷惑?何だそりゃ。笑

ヤクザの俺が...アンタと関わってたら...
アンタの名前に傷を付ける...。

...お前...?

アンタ...瀬世大河(せせたいが)だろ...。
有名な...画家の...。

なんだ...知ってたのか...。笑

...親父の部屋に...アンタの画集があった。
絵も...数枚あった。
親父はアンタの.....ファンだったのか?笑

わははっ。ファンねぇ...。笑
アイツは...俺の...恩人だよ。

...恩人...?

絵を描いて生きたいのに...それを出来ない
俺の背中を後ろから蹴って押した...恩人。笑

...背中を押した...じゃなくて蹴ったのかよ...親父...。苦笑

でも...アレがなかったら...
俺は親の敷いたレールの上で
腐りながら生きてく道しかなかった。

今の俺が居るのは...
アイツのおかげなんだよ。笑


そう言って絵描きは...
墓石を見つめて嬉しそうに笑った。


だから...今度は俺の番だ。

...え...。

俺が...お前の背中を押してやる。

...は?...何言ってんだよ...俺は.....

...お前の絵を気に入った人がいてな。
お前の絵を買いたいそうだ。

は?俺の絵を...買いたい?

あぁ。
お前には...画家としての才能があるんだよ。

...でも...俺は...

組長に...裏の顔があってもいいだろ?笑
お前の素性は一切明かさない。絶対にだ。

お前は...組長をしながらも...
好きな絵を描き続ける事が出来る。
んで...組にも資金が入る。

...そんな...都合のいい事.....。

俺に...お前の親父への恩返しをさせろよ。
俺がアイツに恩返しする前に...
アイツは死んじまったんだから...。


...絵描きは...切なげにボソリと呟いた。



゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚



まぁ...結局...絵描き一本で生きてく事は
出来なかったけど...好きな絵を描く事で
組の為に稼ぐ事は出来てる。


...俺は...運が良かったんだろうな...。


二宮を見て...そんな事を思い出していた。





To be continued.