SS テイクアウト | 有限実践組-skipbeat-

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こちらは蓮キョ中心、スキビの二次創作ブログです。


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 4月最初の更新です。いつもお付き合いくださってありがとうございます。一葉です。


 さて、つい先日のこと。朝のニュース番組でとても微笑ましい話題を耳にしました。

 それを聞いた途端に私は顔全体を緩め、『愛だね』 と呟いてしまうほど心温まるエピソードだったのです。


 それでつい蓮キョ妄想をかましてしまいました(笑)


 時節SS・成立後蓮キョ。ほっこりしちゃった私と同じ様に、ひと時だけでもほっこりしてもらえたら嬉しいです。



■ テイクアウト ■





「 ただいまー 」


 …って、普通に帰宅してみたつもりだけど、本当は少し気後れしていた。

 何故かと言うと、小一時間ほど前、俺はキョーコに叱られていたから。




 ――――――― 今日、現場の若手たちが飲みに行きたいって騒ぎ出しちゃって、無視するわけにもいかないからちょっとだけ顔を出してから帰ろうと思う。



 そうメールで連絡を入れると、速攻返信がやってきた。



『 なに言ってるの!!帰って来なさい!! 』



 その一喝に逆らえず、こうして帰宅したというわけ。



 現在、日本は新型ウィルスの出現で自粛要請がなされている。

 けれど日頃から体力が有り余っている若手たちにはそれが大きなストレスとなっているようで、それゆえ騒ぎたい…と言い出したのだろうと思う。


 正直、俺も一緒だった。

 思うように仕事が出来ないストレスを抱えている。


 だから少しでもそれを解消できたら…と俺自身が思っていなかった訳じゃなく…。


 けどキョーコに言われたから。考えを改めて、一応若手たちにも帰宅を促してきたけれど。


 従って俺はキョーコを怒らせたかった訳じゃ決してなく!

 でも、時は既に遅しだったのかもしれない。



「 ただいま、キョーコ 」


「 あら、お帰りなさいませ。どうぞ?お荷物を置いたらお好きなお席にお座りください 」



 笑顔を浮かべてはいたけれど、他人行儀なその口調に肝が冷えてしまった。

 しかも有無を言わせぬ仲居顔。


 どうやらかなり怒ってる?!



「 あの、キョーコ。ごめんね、俺… 」


「 どうぞ。お先に荷物を置いて来てから席にお座りください 」


「 …っ… 」



 つまり、話はその後で聞くってことか。


 鋭く踵を返してとにかく荷物を置きに行った。

 手早く着替えを済ませてリビングに舞い戻った俺は、ソファ前のテーブルを見て更に肝を冷やした。


 なぜかというと

 キョーコの姿はそこにはなく

 テーブルに一枚の紙が置かれていたから。




「 …キョーコ?! 」



 駆け足でテーブルに近づき、慌ててそれを拾い上げる。

 視線を落とした瞬間に俺は何度も両目をぱちくりさせた。





 おうち居酒屋メニュー表

 開店時間 帰宅後~25時まで


 ドリンクメニュー

 ロック、水割り、各種サワー(内容はお問い合わせください)、日本酒(銘柄指定あり)


 クイックメニュー

 浅漬け、枝豆、冷ややっこ、ツナと大根のサラダ、チーズと豆腐のトマトサンド、ブルーチーズのカナッペ、たたききゅうりのなめ茸和え、じゃこおろし他



「 通常メニュー。サバの味噌煮、豚小間のかき揚げ、豚フィレ肉のレモン焼き、牛肉のアスパラ巻き、和風ロールキャベツ、冷やし茶わん蒸し、小あじの南蛮漬け、白身魚のホイル焼き、蒸しアサリ、ホタテとブロッコリーの塩炒め…などなどって…。なに、これ… 」


「 おうち居酒屋へようこそ。女将のキョーコです 」


「 キョーコ、これって… 」


「 判ってる。ストレスを溜めているんだろうなってことは。本当は飲みに行きたかったよね。だけど、やっぱり心配で行って欲しくないから。せめて家の中でって思ったの。

 どうぞ、お好きなメニューを 」


「 …っっっ!!!キョーコっっっ!!!メチャクチャ嬉しい、ありがとう! 」



 もう、抱きしめずにはいられなかった。

 本気の本当に感動していた。


 他人行儀だった理由はこれだったんだって合点がいって、今度は胸が熱くなった。


 プロに徹しすぎだろ!…って、頭の中でツッコミを入れて思わず笑っちゃったけど。



「 もう。はいはい、ギューはいいから。それで?メニューは何になさいますか? 」


「 え…っと…。すごいな。こんなにたくさんのメニュー。材料を用意するのだって大変だっただろうに。あれからの一時間でこれを準備したってこと? 」


「 やればなんとかなるものよ 」



 君は料理の鉄人か。



「 くす。…じゃあね、これと、これと、これも 」


「 はい、かしこまりました。少々お待ちくださいませ 」



 頷いてキッチンに向かって行ったキョーコを見つめ、その後ろ姿が見えなくなってから改めてメニュー表に視線を落とした。



「 …本当にありがとう、キョーコ 」



 閉店時間は25時。

 きっとキョーコのことだからこの時間きっちりに終わるのだろう。



 それならそのとき聞いてみようか、とふと思った。


 ラストオーダーですよって言われたら

 テイクアウトで君をお願い出来ますか?…って。






     E N D


持ち帰り先はもちろんベッド~~~~~♡

ちなみにニュースで聞いたのはおうち居酒屋の部分だけですから~!



⇒時節SS・テイクアウト・拍手

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