お付き合い頂きましてありがとうございます、一葉です。
本日お届けするお話は現代パラレル蓮キョです。
ちなみにこれは以前から感じていた事ですが、仕事が終わるとなぜか妄想力が弾みます(笑)
男性専門ファッションコーディネートサービスのアフィリエイト広告を見て浮かんだ妄想。
お楽しみいただけたら幸いです。
…仕事って偉大だな、おい。
■ 不器用恋愛 ■
私の名前は最上キョーコ。
数年前から京子という愛称で男性専門のファッションコーディネートサービスの仕事をしている。
リピート率は97%で仕事は順調。
毎日、文句なしの充実した日々を送っていた。
「 キョーコちゃん、いまいい? 」
「 はい、社さん。どうしました? 」
「 キョーコちゃんのスケジュールを確認したくて。土日にプライベートな予定は入れてないって言っていたけど、仕事を入れても平気? 」
「 もちろんです!お申し込みがあったのなら是非受けたいです 」
「 そう、良かった。じゃあね、今週の土日と来週の土日の指定があったから、それ4日間ともOKしていい?土曜日は15時から20時まで。日曜日は11時から16時までっていう希望が来ているんだけど、大丈夫だよね? 」
「 ……はい、いいですよ 」
そのとき何となく違和感を覚えたけど
そんなこともあるのかな、と私は軽く受け止めた。
「 急に凄いですね。5時間MAXのご依頼がいきなり4件もだなんて光栄です。頑張らせていただきます 」
「 OK。じゃあ今すぐ了解の返信をしちゃうね 」
「 はい、お願いします 」
ラブミー・ファッションコーディネートサービスでは、言った・言わない、の行き違いを無くすため、メールでお申し込みの方にはもちろん、電話でお申し込みを頂いても必ずメールで返信している。
定型文は既に用意されているからだろう。パソコン画面に視線を向けた社さんは手早くキーボードを操作した。
その作業の手が一回分しか無かったように見えて、私は首を傾げた。
「 社さん。もしかしていま一度に4件のお客様に返信をしたんですか?手早いですね 」
「 ん?してないよ。その4日間は別件依頼じゃなくて同一人物からの依頼だから 」
「 はい??それって………まさか、敦賀さんだったりして?……いやいや、流石にそんなことあるはずが無いか 」
敦賀さん…というのは、老舗紳士服メーカー・ヒズリの社長の一人息子さんだ。
ヒズリは数ある紳士服メーカーの中でも特にいい仕事をする職人さんを何人も抱えていて、時代に合わせた顧客ニーズ対応の素早さと真摯な姿勢には感服のひと言しか浮かばない。
仕立ては美しく布は上質。プライドを持って仕事をしている様が自然と伝わってくる優良企業で、何より革新を続けて常に新しいデザインを世に送り出す姿勢は好感が持て、ファッションコーディネートをしながら私がさりげなくお客様にお勧めするブランドのひとつなのだ。
その話を
どこかで聞き及んだのだろう敦賀さんが、ある日素知らぬ顔で私のコーディネートサービスを受けに来た。
お恥ずかしいことに私自身はそこまで惚れ込んでいた企業にも関わらず、老舗紳士服メーカー・ヒズリの社長さんの顔を存じておらず。
だから当然、敦賀さんが御曹司であることも知らなかった。
私がその事実を知ったのは、敦賀さんのファッションコーディネートアドバイス終了直後に敦賀さんがカミングアウトしてきたからで、以降、なぜか敦賀さんは私に猛烈なアタックをしてくれていたのだけど、私はそんな彼からのお誘いをすべてお断りしていた。
何故かと言うと、だって仕事が楽しいから。
やっと軌道に乗ってきたのだ。恋愛事はもう少し敬遠していたい。
アタック攻撃が始まってからおよそひと月が経った頃、正直にそうお伝えしたら敦賀さんは判った…と言って誘ってこなくなった。
確かに、自分の仕事が仕事なだけに、敦賀さんとお付き合いするメリットはあるのかも、と考えたこともあったけど。
でも、私はもともとそんなに器用な方ではないのだ。
仕事と恋愛を両立できる自信がない。
だって敦賀さんは背も高くてイケメンで、しかも老舗企業の御曹司。
新作服のデザインだって彼が手掛けたものがあるらしい。
そんな3拍子も4拍子も揃っているような魅力的な男性に自分が惹かれないはずが無いと思った。だから丁重に断った。
…という話をしたら、スタッフ達からはブーイングの嵐。
なんてバカなことをしたのか、と私は散々言われまくっていた。
「 あたり 」
「 え? 」
「 キョーコちゃん、いいよ!良いカンしてる。そのまさかだよ。あの御曹司、土曜日はディナー、日曜日はランチをご馳走したいって言ってた。キョーコちゃんもずーっと仕事、仕事だったんだから、こういう時は楽しんでおいで 」
「 なっ…それは仕事じゃないじゃないですか! 」
「 いやいや、立派な仕事だから。彼からはデートで着用したい服のコーディネートを依頼されているんだ。京子好みの男になりたいんだってさ♡もちろん食事は仕事の後ってことだよねぇ。ぐふふ…。
だったら話は早いでしょ~。キョーコちゃん色に染めてくればいいよ~~ 」
「 ぐふふじゃありませんよ!やってくれましたね、社さん!! 」
「 やってみましたよ、キョーコちゃん 」
「 もう!!せっかくお誘いがなくなったと思ったのに!そもそも、どうしてみんなして敦賀さんをお勧めするんですか?!何か強力な賄賂でも貰っているんですか?!私はまだしばらくは仕事一本で頑張りたいと思っているって言ったじゃないですか! 」
「 賄賂?貰ってないよ、そんなの。答えは簡単なんだ。彼のアプローチにだけキョーコちゃんが気づいたから 」
「 はあ? 」
「 キョーコちゃん、絶対気づいていないでしょ。今までの依頼者の中にもキョーコちゃんにアプローチしていた人が居たこと。だって華麗にスルーしていたもんね。
でも敦賀くんのだけは気づいたんだ。…ってことは、キョーコちゃんの中で敦賀くんは特別な存在感があるってことだよねーって、琴南さんや天宮さんと俺の意見が一致してね、みんなで敦賀くんを推すことに決めたんだ♡ 」
「 ……っ… 」
「 キョーコちゃん、いい加減、恋愛音痴は卒業すべき!いい機会だし、敦賀くん、いい男だから何も問題ないじゃないか。言っておくけどこれは仕事だから。もうOKの返事も出しちゃったし断れないよ。分かっているよね? 」
「 …っ!!分かりました!!今週と来週の4日間ですね!行きますよ、仕事ですものね!! 」
「 そうそう、それでついでのデートを楽しんでくればいいよ!あー、楽しみだねぇ 」
「 いいえ、仕事!仕事ですから! 」
仕事だと割り切り
敦賀さんと向き合ったそのたった4日間がきっかけで
私と彼はみんなの思惑通り
ラブラブ恋愛へと発展する。
E N D
…という思わせぶりなナレーションで終わる。
続きません…(ΦωΦ)ふふふふ。
⇒不器用恋愛・拍手
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