いつもありがとうございます、一葉です。
弊宅閲覧者数・延べ50万人様を記念して、愛海様からお与かり致しました記念リクエストをお届け致します。
こちらは原作沿いです。
申し訳ありませんがそれ以外の設定に関しましてはお話からお察し下さいませ。(。-人-。)
なお、こちらはリクエスト成就作となりますので、内容リクエストを頂いても応諾できません。併せてご諒恕ください。
■ ふるいの中に残るもの ◇1 ■
私が瞼を開けたとき
誰もが私の顔を覗き込んでいたのでびっくりした。
「 …っ!? なんですか、一体?! 」
そこはラブミー部室で
なぜか私一人だけ椅子に座っている。
私の問いには誰も答えず
社長さん、マリアちゃん、モー子さんの3人が、目覚めた私を見て複雑そうな顔をしていた。
一種深刻ともとれる雰囲気に私は口をへの字に曲げて首を傾げた。
「 あの…どうかしたんですか?…っていうか、なんかみんな… 」
いつもと雰囲気が違うんですけど。
「 京子さん 」
「 はいっ?! 」
「 今日が何月何日か教えていただけますか? 」
「 はぁ? 」
私は目をしばたかせた。
質問を浴びせかけたのは社さんより少し年上かな、と思われる見知らぬ男性だったのだ。
この人、最初からここにいた?
自分の記憶が定かじゃない。
そもそも、どうして私はいまラブミー部室に?
自分を取り囲むように立ちすくんでいる3人に視線を巡らせると、不意に違和を感じた。
なんだろう?何かがいつもと違う気がする。
何かがどこか違う気がする。
何か…と思うだけで、それが何だか分からないけど。
「 京子さん、今日が何月何日か分かりませんか? 」
「 ……っ… 」
これは一体なんだろう。
訝しみながらも質問に答えると、全員の口からため息が溢れた。
遺憾とも
安堵とも取れる不思議なそれ。
私はもう一度首を傾げた。
「 あの…? 」
「 どうやら問題はないようだ。ご気分はいかがですか? 」
「 気分?別に……普通です、けど? 」
「 そうですか。それは良かった。では何かあったら僕の名刺から連絡をください 」
「 え? 」
ねえ、待って。
それ私に言っているの?
問題ないってなに?何かあったらって、何があるっていうの?
「 何か?…ってなんですか? 」
自分の両目が左右に忙しなく動いた。この状況を把握しようと懸命に記憶を辿ってみる。
けれど分からなかった。何が何だか判らない。
何だろう。
一体何なのだろう。
どうして見知らぬこの男性に誰も何も言わないのだろうか。
「 じゃあ僕はこれで 」
退室意思をあらわにしたその男性が社長さんに向けて頭を下げた。その様子を私はただ漫然と見つめていた。
通路で待っていたのだろう、社長さん付きの秘書さんが、退室した男性を導いていくのがチラリと見え、入れ違いで敦賀さんが現れて私は反射的に身構えた。
だって、だって
あのひとってば私にだけスゴクいぢ悪なんだもの!!!
「 ……失礼。いまちょうど終わった所…ですか? 」
「 ああ、さっきな。ま、立ち話もなんだから入れ 」
ぎぃいえぇぇぇ!!!社長さん、なんで敦賀さんを招き入れるんですか?!
あなたも、入って来ないでくださいよっっ!!
ちょっと!!?
なんでいま私の顔を確認したのよ???!
「 お邪魔します 」
「 おおよ。このあと帰るんだろ?最上くんと一緒に 」
「 ええ、そのつもりで迎えに来たわけですので…… 」
なんですって!?
聞いてない!!
私はそんなのひとつも聞いていないですけどっ?!!
敦賀蓮が視線を動かし、私の顔をじっと見る。
その瞬間、心臓がバクバクし出した。
この心境はまるで蛇に睨まれた蛙のよう。
いいえ、それ以上の緊張感だわ!!
咄嗟に私は立ち上がった。
なぜなら敦賀さんが私めがけて歩いてきたから。
話なんてしたくない。
だってあの人と口をきくとろくな事がないんだもの。
だから私は少し前に心に決めたの。
敦賀さんの半径5m以内には、絶対、絶対、近づかないって!!
「 あっ、お姉さま、待って 」
「 ごめん、マリアちゃん。今は手を放……っ?! 」
私の片腕を掴んだマリアちゃんを見てギョッとした。
なぜならマリアちゃんの身長が明らかに高くなっていたから。
いいえ、身長だけじゃない。
さっきから思っていたの。なんだかマリアちゃん、少し大人っぽくなった気がするって。
「 マリアちゃん。まさかいま、10cmはある秘密くんを履いてる? 」
「 はい?なに言ってるの、お姉さま 」
「 だって、この前会った時より確実に背が高くなっているじゃない?ほら 」
「 ? なってませんわ。昨日と同じ身長ですわよ? 」
「 昨日? 」
「 ええ 」
「 いやだ、マリアちゃん。私たちが会ったのはこの前でしょ?ほら、LMEの俳優養成所で意気投合したばかりじゃない。そうだ。パパにはなんてメッセージを送ったの? 」
「 え? 」
「 え? 」
「「「 え? 」」」
「 お姉さま。どうしてそんな…3年も前の話を……? 」
「 ………え? 」
恐らくこのとき
この場にいた全員の思考が立ち止まった。
その中でも私のストップ状況は断トツだったに違いない。
だって誰が想像するだろう。
自分が認識している今日という日が
現実の日付と3年もズレていたなんて。
⇒◇2 に続く
実はこちらのお話、何話で終わるかの見通しが付いておりません。
長丁場になるかもですが、お付き合い頂けたら嬉しいです。
Please do not redistribute without my permission.無断転載禁止
◇有限実践組・主要リンク◇