原作の進みにヤキモキしているからなのか、こんなのが思い浮かびました。
これはあれですよ。キョーコちゃんが紅葉役を獲ったあとシリーズですよ(笑)
一応、ACT.268のネタバレが含まれているのですけど、言われなきゃどこだか判らないと思うのでお気軽に。
お楽しみいただけたら嬉しいです。
■ 正しきアドバイス ■
映画、泥中の蓮の紅葉役を最上さんが獲得し、その撮影に入って間もなくのこと。
俺と彼女、共通のマネージャーである社さんからこんな話をされて、俺はその撮影現場に足を運んだ。
「 実はキョーコちゃん、ダイエットをするって言い出して本当に食事を控えているんだ。マネージャーの俺としてはそれがもう気になって気になって仕方がないんだよ、蓮 」
最上さんは17歳。まだ成長段階の年齢でもあるし、ただでさえ動きの激しい忍者の役で大量のエネルギーを欲するはず。
なのに食事制限は絶対必須だと言って、頑として譲らないらしいのだ。
「 理由はなんです?あの子が急にダイエットをしようと思ったきっかけは… 」
「 忍者役だから…だって 」
「 はい? 」
「 忍者だからスリムじゃなきゃ…って。自分の重さで足音が出ないように、そういう軽さにならなきゃダメですよね!とか言って闘志燃やしちゃったんだ…… 」
「 つまり役のため…ってことですか。それって監督やプロデューサーから指示が出てってことじゃなく…ですね? 」
「 指示なんてされていないよ。だいいちキョーコちゃん、どっちかというとスリムな方じゃないか!お前はそう思わないか? 」
「 思います。少なくともあの子がダイエットをする必要性を俺は感じません 」
「 だろ!!そこで蓮、お前がなんとかキョーコちゃんを説得してくれ!! 」
――――――― というのが経緯だ。
撮影現場を訪れると、ちょうど合間の休憩のようだった。
みんなが和気あいあいとしながらおやつをつまんでいる中、最上さんは必死に耐え忍んでいるように見える。
俺より数歩を進んで最上さんに近づいた社さんが、そんな最上さんに声をかけた。
「 キョーコちゃん!! 」
「 は?……あっ、社さん、と敦賀さん?どうなさったんですか? 」
「 ん…社さんから相談されて連れて来られたんだ 」
「 連れて来られたんですか? 」
「 そう。最上さん、君、ダイエットをしているんだって? 」
「 …っ!!そうですけど。……社さん、なんで敦賀さんにそんなことっ! 」
「 必要ないよ、ダイエットなんて。だいいち君、全然太ってないじゃないか。いま着用している忍者の衣装だって細すぎて見えるぐらいだ。ちゃんとした栄養を取って、万全の体調で仕事に向かうべきだと俺は思うよ 」
とか言っておきながら、人のこと言えるんですか、ぐらいの返しが来ることを俺は予想していた。けれど最上さんはそれとは全く違うことを口にした。
「 ……何にも知らないくせに、敦賀さんなんか 」
そのセリフがグサリと俺に突き刺さる。
最上さんは実に恨めしそうな上目遣いで俺を見上げ、さらにこう続けた。
「 見た目がどうとかの問題じゃないんです。私、脱ぐと結構凄いんです!ウエストとか、脇の下とか、そういう隠れているところが特に!なんにも知らないクセに、私が努力しようとしていることを否定しないでください! 」
瞬時に一陣の風が吹き抜けた気がした。
その程度の言い分で俺を退けられると本気で思っているのだろうか、この子は。
真実、真面目な顔で最上さんを見下ろした俺は、眉根を寄せて渋い表情を浮かべている彼女の顎を右手で意味深に持ち上げた。
この時の俺は一体どんな顔をしていたのかな。自分では判断できないけど。
「 そう……そうなんだ……。そこまで言うのなら俺に見せてごらん? 」
「「 ……はい???? 」」
「 服を脱いで、その身体を全部俺に見せてごらん。ああ、この場合は見るだけじゃダメだな。正しいアドバイスをするには君の現実に迫る必要がある。君を隅から隅まできちんと触って感触を確かめないとだよな。そうじゃなきゃ今度は無責任だと言われかねない 」
「 ……っっっ?%★!$#?!! 」
「 …ということで社さん。最上さんの控室に行きましょうか。…じゃなくて、社さんは現場の責任者に少々の猶予をもらって来ていただけますか。最上さんの控室には俺たち二人で行きますから 」
「 やだ!!そんなのセクハラじゃないですか!! 」
「 違うだろ。何も知らないくせにって君が言ったからだ。そうだね、確かに俺は君の体の真実を知らない。だから確認する必要が出ただけだ。ひいてはこうすることで本当に君にダイエットが必要なのかどうか見極めることが出来、それによって正しいアドバイスを贈ることも出来る。よし、理解した所で行くよ、最上さん 」
「 …っっ!!!ごめんなさい、敦賀さん!私、もうダイエットするとか言いませんから!!!! 」
「 なに?困った後輩だな、君は。君が何も知らないくせにって俺に啖呵切ったくせにそれを棚上げにするのか。
そんな風にコロコロと自分の意見を変えるなんて信用できない。こうなったら君の先輩として教育的指導をしないと。ホラ、おいで。とにかく正しいアドバイスを君にしてあげるから 」
「 わあぁぁぁんっっ!!ごめんなさい、本当にごめんなさぁぁいっっっ!!ダイエットはもうやめます!生意気なことも言いません。知らないくせになんてもう絶対に言いませんからぁぁぁっっ 」
このあと、泣きながら俺に謝罪をする最上さんを見下ろしながら、本当にこの子は少しも変わっていないな、と俺は人知れず笑った。
E N D
まるで買って、買ってとだだをこねる子供を説き伏せる親のよう(笑)
この後ヤッシーは複雑そうな顔でひとこと。ありがとう…と蓮くんに言ったことでしょう。ぷっ(*`艸´)
でもほんと。10代で標準体型の女の子ならダイエットは不要ですよ。
ちなみに、「だったらそれを見せてごらん」…の蓮くんは夜の帝王顔を妄想してください(笑)
⇒正しきアドバイス・拍手
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