SS 誘惑、ラブ・テロリスト | 有限実践組-skipbeat-

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こちらは蓮キョ中心、スキビの二次創作ブログです。


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 妄想ダダ漏れ一葉でっす☆( ̄▽+ ̄*)ぐふ

 本誌が来る前にお届けしようと思っていたのに当日になってしまった。あはは。


 本日のこちらはネタバレ無し原作沿い両片想い蓮キョ。キョーコちゃんが紅葉役を獲ったあと、こんな事あったらいいな妄想です(笑)


 もう本当にいい加減しつこいね、しつこいね、しつこいねっ!!

 でもきっと原作が進んでいって撮影が始まっちゃったりすれば、きっと出て来なくなるだろう妄想ですのでネタが新鮮なうちにお届けしようかなと思ってねぇぇ。


 ちょっと長めですが、お愉しみ頂けたら嬉しいです。


■ 誘惑、ラブ・テロリスト ■





 映画、泥中の蓮のキャスティングがようやく全て決定し、関係者を含めた役者全員が勢揃いした室内は誰が見ても圧巻の一言だった。


 時間を惜しんで早々に、一日台本読みが行われる事となったその日の午後。

 しばし訪れた休憩時間。キョーコの耳に届く近距離で飛び交い始めた何気ない会話にキョーコは耳を奪われた。



「 ねぇ、見た?!映画トラジックマーカー!!私アレ見に行ったんだけど、すっごい怖かったの!怖かったのに、だけどすっごい良かった!! 」



 興奮気味な声が届いてキョーコは冷凍マグロのようにピキンと固まる。

 映画トラジックマーカーは出演こそしていないが、自分も関係者と言えなくもない作品である。


 特に自分が恋心を抱いた大先輩、敦賀蓮の妹としてそばに居られたことはやはり幸運だったと言わざるを得ない。

 なぜなら、他人には絶対に見せる事が無いだろう彼の心の深淵に、自分は触れることが出来たのだから。


 それを秘密の共有…と言ってしまうと何やらかっこいいような気がしないでもないが、無論キョーコはそれを誰にも自慢しようとは思わない。

 ただ自分が少しでもあの人の役に立てたなら良かった…と、そう思うだけだ。



 キョーコが関係者であることなど露ほどにも思わない共演者たちの会話はさらに継続していった。


「 見・た!もちろん私も見たわ!あの殺人鬼役の人が凄かったわよね~!!ほら、何て言ったっけ?ジャック・ザ・リッパー役の人!! 」


「 それ!カイン・ヒールよ!!無名の新人。その人ね、スクリーンだと良く分からないんだけど実際にはすっごく背の高い人だったの!! 」


「 え?なんで知ってるの?まさか……会ったことがあるとか?! 」


「 違う、違う。実はあれに私と同じ事務所の子が出演していて、舞台挨拶がある映画館のチケットを事務所でくれたのよ。それで行ったんだけど、カイン・ヒール!やばいぐらいカッコ良かったのよぉぉぉ!!もうなんて言うの?ニヒルなカッコよさって感じ!! 」


「 そうだったんだ?!舞台挨拶は?どんな感じだった? 」


「 そ・れ・が!!聞いて笑って!これは本人情報じゃなく共演者情報なんだけど、カイン・ヒールって妹がいて、めっちゃシスコンで妹にだけベッタベタに甘かったんだって!! 」


「「「 キャ~~~~~~~ッ♡♡♡ なにそれ、なにその美味しい情報は! 」」」


「 聞くところによるとぉ、その撮影の最中は本当に彼女かと見間違うぐらい甘々炸裂だったらしいんだけど、その話題を振られたカイン・ヒールがマジ真顔で、あんな可愛い妹なんだから可愛がって当然だろ?…って!!!!言った途端もう館内が騒然となっちゃってぇぇぇ!!

 映画ももちろん面白かったんだけど、この舞台挨拶見られただけでかなりお得で面白かったのぉぉぉ!! 」


「 いやーん♡ 私も見たかったぁぁぁ!! 」


「 ほんとぉ。なにその堂々さ加減♡♡ ちょっとうらやましい~~!!俳優やってる兄に溺愛されている妹!萌えちゃうぅぅぅ 」



 さすがに。

 さすがにここまでダダ漏れだと、背中越しに聞いていてもこそばゆい。


 間違っても自分に話しかけてこないように…と、彼女らに背中を向け縮こまったキョーコは、けれど自分の意図に反して緩んでしまいそうになる頬を両手で懸命に押さえつけた。



 そうなのだ。

 敦賀蓮が扮したカイン・ヒールは、一種異常とも言えるほど妹を溺愛していた。そして同じように妹である自分も兄であるカインを溺愛していたのだ。


 そういう…恋人たちがしている事をしていてもおかしくないぐらいのべったり加減で……。



 キョーコの照れをヨソに会話はさらに続いてゆく。



「 更に聞いてっ!!そのカインの妹ちゃんも一緒に撮影に同行していて、カインのそばをべったり離れなくて、しかも一緒のホテルに滞在していたらしいんだ~ 」


「 いや~ん。アヤしいぃぃぃぃ~~~ 」


「 それってやっぱり兄妹だから一緒の部屋だったのかしら~♡ やだ、変な妄想しちゃいそう~。だってほら、外人ならチューとか日常茶飯事じゃない?だからさ~~~ 」


「 やっだ、なに言ってるのよ、エッチィィ。でもでも!!もしそうだったら禁断の愛ってやつよね♡

 そう考えるだけで萌えちゃうわよね。ス・テ・キィィィ!!! 」



 そんな二人の関係が素敵と評されたことにキョーコは顔を赤らめた。



 実際、本当に自分達は周囲の人からそう思われるような演技をしていたのだ。舞台挨拶とはいえあの先輩俳優のことだ。その雰囲気をまとったままだったのだろうことは想像に易い。


 けれどそう考えながらキョーコは、それでも蓮が、自分と二人きりの時は演技をセーブしていただろうことを知っていた。


 なぜなら、二人でホテルの部屋にいたとき、実際に兄が妹に迫って来たことは一度も無かったのだ。




 ふと思い出す。蓮の首元に盛大に付けてしまったキスマーク。

 周りから見ればさぞかし疑問だっただろう、アレ!!!



 あれがついた経緯は口が裂けても言えない内容ではあったけれど、もし妹姿のままアレをつけたのは君かと問われたら、そうですけど何か?…と、堂々と言える自信があった。


 なぜならそういう設定だったのだ。

 二人がそういう関係であっても全くおかしくないことを、キョーコ自身ですら思っていたのだ。




「 ……だから、兄さんが迫って来なくて本当に良かったって思ってる。だってそうなったらあたし、絶対に拒めないもの…… 」


 セツカ風に呟き瞼を伏せたキョーコは思っていた。

 もしそんなことになったとしたら、自分は喜んだかもしれないと。


 なぜなら拒む理由がないのだ。

 セツカとして大好きな兄さんは、けれど最上キョーコ本人からしても誰より心を寄せる大好きな蓮だったのだから。



「 ……もし。もし兄さんが迫って来たとしたら、もしかしたらこんな風だったかも…… 」



 妄想少女、キョーコには容易い想像。


 瞼を閉じれば今でも鮮明に思い出せる大好きな兄、カイン・ヒール。



 二人きりのホテルの部屋。

 一日の仕事を終えた兄のために、妹であるセツカは毎日かいがいしく夜ごはんを支度していた。



『 セツ… 』


『 ん?なに、兄さん 』


『 お前が作ったものは本当に何でもおいしいな。こんな設備しかない部屋だっていうのに… 』


『 ふふ。そうでしょ?だってあたし、兄さんのために色々工夫しているもの。…ね?褒めてくれてもいいのよ? 』


『 ……そうか。そうだな。ありがとう、セツ。だがな… 』


『 なに?何か反論が? 』


『 そうじゃない。俺はこう思うんだ。お前が一番おいしいんだろうな…って 』


『 は? 』


『 そうだろう?きっとお前が用意してくれたこの食事より、俺にとってはお前の方が美味しいよ 』


『 や……っ……なに、兄さんっっ!! 』


『 こら、なぜ俺から離れようとする? 』


『 な……なぜって……。だっていま……急に色気、がっ… 』



 半端なさ過ぎるっっっ!!!!


 妖艶さを垂れ流し始めたカイン・ヒールの姿を脳裏で垣間見たキョーコは両手で口を覆った。



 そうだ。

 きっとあの大先輩はあの顔をするだろう。


 あの人のプライベート空間で、嘉月と美月を演じたかつての時のように。




 ――――――― キッチンで、不意に見せたあの色気。



 抗う事すら許さない、強烈に醸され始めたあれは男性が持つ性への野心。



 キョーコの頭の中の蓮はカインの姿のはずなのに、纏う雰囲気も自分を見つめる双眸も、あの夜確かに自分が目撃した夜の帝王になっていた。



『 色気?なにを言ってる。お前以上に色気のある女なんてこの世にいる訳ないだろう 』


『 ちが…あたしのことじゃなくて…… 』


『 なにが違うというんだ。まったくセツは悪い子だ。俺を誘うみたいに胸の谷間を俺に見せつけるなんて… 』


『 みっ…見せつけたりなんかしていないわよ!そうなっちゃったのはソファに座った兄さんが急にあたしの腰を抱き寄せたりするからでしょう?! 』


『 抱き寄せたのはお前が俺から離れようとしたからだ 』


『 や……胸に顔を近づけてこないでっ…… 』


『 なんだ?恥ずかしがっているのか?大丈夫だ。この部屋には、俺達しかいないんだから 』


『 やっ……兄さん、離して!!まだ全部のメニューが揃ってないの!だから…… 』


『 何言ってるんだ。揃っているじゃないか、セツ…… 』


『 どこを見て言ってるのよ!メインがまだでしょう。ここにあるのはサラダとスープとご飯だけで… 』


『 お前こそどこを見ている。お前が俺のメインなんだ。フルコース揃っているじゃないか 』


『 あっ……だめよ、兄さん、ダメっ!!!……やっ……あんっ… 』


『 ダメだなんて言うな。この腹を満たさなければ明日、俺は満足に仕事ができなくなる 』



 柔らかな髪ごと近づいて、自分の胸に唇を寄せる愛しい兄、カイン・ヒール。

 兄の息遣いを胸元に感じた気がして、キョーコは顔を真っ赤にしながら思わず声を張り上げた。



「 ムリィ―――――――― っっっ!!!いくら言い聞かせてもこれ以上はハイレベルすぎて私には無理ですぅぅっ!!!! 」



 勢いよくテーブルに突っ伏し、乱れた呼吸を携えたまま、何度もテーブルに額をこすりつける。


 ダメだと言いつつ。

 無理だと叫んだ所できっと兄の所業に流されただろう自分が見える。




 本当に、兄として接してくれていたあの人が

 二人きりの時に演技をセーブしてくれていて本当に良かったと思った。


 もしあんな風に迫られたとしたら自分にはこの恋心を抑えていられる自信が全くないのだ。



「 ………京子さん。台本読みを再開したいのですけどね、まさかこれ以上はハイレベル過ぎて無理なのでしょうか?いまさら紅葉役を出来ないとか言われても我々としては困るのですがね 」


「 …っっ?!?! 」



 そう声をかけられさすがにキョーコも現実に戻った。

 そっと顔を上げて見まわした部屋の中、誰もが驚いた顔で自分を凝視している。


 慌ててキョーコは両手を振った。



「 あっ!!!違います、すみません、呉前プロデューサー!!違うんです!!誤解です。出来ます!やります、紅葉役!大丈夫です。すみません、すみません、すみません 」


「 まあ、いいですけど。恐らくどこかにトリップしていらしたんでしょうから 」


「 ………バレてる… 」


「 …で?再開してもよろしいでしょうか? 」


「 はいっ!!もちろんです、本当にすみませんでした!! 」



 ビシッと立ち上がってその場で深く頭を下げ、大きな音をたててテーブルにおでこをぶつけながらキョーコは脳裏深くで実感していた。



 役者として尊敬し

 人として敬愛し


 異性としても心惹かれてやまない大先輩、敦賀蓮。



 彼は容易く自分を征服するこの世でただ一人の異性。


 どこにいても

 あの人は瞬時に自分の全てを支配してしまうのだということを改めて実感していた。



 妄想の中ですらまるで息を吸うより容易く自分を翻弄し

 恋など二度としないと誓った自分のそれをことごとく粉砕するばかりか


 あろうことかこの身を委ねることさえ構わないと思わせる最強兵器ぶりを発揮する。



 こんな自分をあっさり誘惑してしまうあの人は間違いなく



 世界最強のラブ・テロリストだ。






     E N D


少し前、連日のように映画賞の話題が耳に入って来ましたよね。これはそのとき湧き上がった妄想です。

トラマも映画だったし、ホラー系だからきっと夏には上映だと思うのですが、そうするとその頃に台本読みしている訳が無いんですが(笑)

多少の時期違いはお目めつぶって下さい。キョーコちゃん、かわい♡



⇒誘惑、ラブ・テロリスト◇拍手

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