SS 開封あじゃら | 有限実践組-skipbeat-

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こちらは蓮キョ中心、スキビの二次創作ブログです。


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 ドモ、いちよーです(=⌒▽⌒=)ノ

 仕事が終わった途端に駆け足モードかよ…と思われるかもしれませんが。


 今回は仕事中に走り書きした妄想、少なかったわね…なんて思っていたのですが、実際にはちっともそんな事なかったみたいです。


 続きを書こうと思ってメモしたものを探したら、何故か見当たらなくて大捜索になってしまって。

 それで少しでも探しやすいように…と考えて短編のメモから急いで減らしてゆくべくお話をお届けしている次第です。


 …で、本当は原作沿い両片想いの話から…と思っていたのですが、目的のそれすら既にどこに行ったのか見つからず(笑)

 すぐに出て来たのでこれでもいっか~♪と、原作沿いなのですがまず有り得ないシチュエーションになっている成立後のラブラブ蓮キョをお届けいたします。


 どこが有り得ないのか…はすぐピンと来ると思いますよ~♪

 あ、キョーコちゃんsideでお届けです。


■ 開封あじゃら ■





「 やめて下さい、もう、敦賀さんのぶわぁかっ!! 」


 仕事が終わって落ち着いた夜。

 手の中の紙パックドリンクを守りながらそう言った私に敦賀さんは肩をワナワナと震わせた。


「 なっ!!事務所の先輩になんて口のきき方だ! 」


「 むっ。ここは敦賀さんの自宅で、いま私たちは完璧にプライベートです!つまりそれ関係ないはず! 」


「 ある!都合良い方を選択できるのは先輩であり年上である俺の特権だ 」


「 はぁっ?なにそれ、そんなのズルイ!! 」



 発言だけの羅列だとかなり真剣な口論のように見えるかもしれないけど、後半の敦賀さんのセリフから、何となくこれは本気の言い争いではないのでは…と推察頂けることと思う。



 ――――――― そう。これはじゃれ合い。


 こんなレベルの口喧嘩なら朝夕問わず頻繁にあって、つまるところ私たちはちょっとだけ真剣に悪ふざけをしている所なのだ。




 コトの発端は新発売された紙パックのカフェオーレに私が口を付けた事から始まった。



「 ……最上さん。それ、美味しい? 」


「 はい、美味しいですよ。ほんのり甘くて優しい味です 」


「 確か、この前新発売されたやつだよな? 」


「 そうですよ。大人気らしいですよ、これ。コンビニに行くと通常なら一列しかない所をこのパックだけで二~三列埋まっていたりしますもん 」



 実際これは本当に美味しくて

 私はここのところずーっとそれを飲み続けていた。


 染みわたるまろやかさを兼ね備え、ひとユルみしない?…なんてパッケージに印刷されているのがまたユルくて良いと私は気に入っているのだけど。


 けど敦賀さんは逆だった。どうにも気に食わないらしいのだ。

 私がこの紙パックのカフェオーレに執心していることが。



「 あのさ、こっちの缶コーヒーも新発売になったんだよ?ロースト技術が一段と良くなって、よりコーヒー豆の旨みが感じられるようになったんだ 」


 そう言って敦賀さんは自分がCMキャラを務める缶コーヒーを私の前に置いたけど、私は頬を膨らませてプイッと顔を横に背けた。


「 それイヤ。だってブラックコーヒーだから物凄く苦いんですもん! 」


 そうなのだ。

 お子ちゃまだって思われるだろうけど、私はコーヒーにはミルクと砂糖が欠かせないのだ。


 いくら自分の恋人が宣伝しているコーヒーだからって飲めない物は絶対に飲めない。

 それもまた敦賀さんが気に食わない理由らしい。



「 そうやって飲みもしないうちに諦めるなんて君らしくないっ!そのセリフは飲んでから言うべきだろ 」


「 もう飲みました。だから言ってるんです 」


「 はぁ?俺そんなの聞いてないけど。いつ?どこで? 」


「 泥中の蓮の制作現場で。ものすごーく暑かったので冷たい缶コーヒーの差し入れがあったんです。それがコレだったの 」


「 あ、そうだったんだ 」


「 そう。…で、飲めなくて困っていたらこっちの紙パックのカフェオーレもあるよって言われて、それで美味しさを知ったんです 」


「 なんだって……? 」



 私の言葉を聞いて敦賀さんがゆら~り…と立ち上がった。


 天井の光源を計算に入れ、それをわざと背負う姿勢で私の前に立ちはだかった敦賀さんは、恐ろしい三白眼になって私のことを見下ろした。



「 …―――――― …犯人は古賀君か… 」


「 犯人ってなんですか 」


「 古賀君はこのカフェオーレのCMキャラクターだよな? 」


「 そうですね、いまTVで流れている通り 」


「 君はっ!!俺のコーヒーより古賀君のカフェオーレの方が良いというのか 」


「 だってこっちの方が甘くて優しくて美味しいんですからしょうがないじゃないですか 」


「 そんな飲み物は廃棄だ!よこしなさいっ 」


「 やめて下さい、もう、敦賀さんのぶわぁかっ! 」



 ――――――― となったのである。



「 なっ!!事務所の先輩になんて口のきき方だ! 」


「 むっ。ここは敦賀さんの自宅で、いま私たちは完璧にプライベートです!つまりそれ関係ないはず! 」


「 ある!都合良い方を選択できるのは先輩であり年上である俺の特権だ 」


「 はぁ?なにそれ、そんなのズルイ!! 」


「 狡くない!そんなのもう飲まなくていいから 」


「 いやっ!せっかく明日と明後日の分まで古賀さんが良いよって言ってくれたのに! 」



 あんまり私がカフェオーレをかばうから

 敦賀さんも意地になってしまったのかも知れない。


 私は捨てられてなるものか、とまだ開封していなかった紙パックめがけて飛んできた敦賀さんの手からカフェオーレを見事守った。


 ……つもりだったのだけど…



「 きゃあっ?! 」


「 うわっ?!! 」



 突っ込んで来た敦賀さんの勢いと彼の体重の重さに負け、床に転げてしまった私は両手で掴んだはずの紙パックを確かめた。

 守れたと思ったのに私の力が過剰だったのかもしれない。


 紙パックの口は少しだけ開いてしまって

 転んだ拍子に飛び出したのだろうカフェオーレが自分の胸元や床のあちこちにこぼれていた。



「 も!!!なにするんですかぁっ!開いちゃったじゃないですか、もう、ひどい。あとで飲もうと思って楽しみにしていたのにぃ 」


「 そんなもの飲まなくてもいい。ほら、あの缶コーヒーに砂糖とミルクを入れて飲めばいいじゃないか。だいたい、いつまでもこんな所に置いておくのが悪いよ 」


「 いつまでも?!冷蔵庫に入れようとしたら敦賀さんがそれを阻止したんじゃないですか! 」



 私の上に乗っかった敦賀さんが腕を突っ張って上半身だけ起き上がる。


 重しがなくなったことで手にあった紙パックを一度床の上に置いて、起き上がろうとした私を見下ろした敦賀さんが本当だ…と笑いを含めて小さく口走った。



「 あ、本当だ。君の胸元、転んだはずみでボタンが外れて開封されてる 」


「 開封?!開封されちゃったのは私じゃなくこのカフェオーレです! 」


「 ……そうか、ごめんね。だとしたら今すぐ味あわないと… 」


「 そうですね……って!!やだ、敦賀さんっ!! 」



 どいてくれていたとはいえ敦賀さんはまだ私の上に居て、見物人こそ皆無だけどハタから見たらこの態勢は敦賀さんに押し倒された様のまま。


 なのに何を思ったのか敦賀さんはまた腕の力を緩めてそっと私の上に被さり、私の頭にキスを落とした。


 敦賀さんをどかそうと、私は大先輩の胸を両手いっぱい押し上げようとしたけれど、どいてと意思表示した所でそれは強制的に却下されたも同然だった。



「 きゃ?!敦賀さん、どこに手をっ!! 」


「 ん?君の胸。だってほら、君が床に置いたこの紙パックをよく見てごらん? 」


「 え? 」


「 ほらここ。パックの上部に書いてあるだろ? 」


「 …は? な…なにが…… 」


「 だから、開封後は賞味期限にかかわらずお早めに…って 」


「 なっ…それはカフェオーレの話でしょ!私の話じゃ……っ…ゃんっ、敦賀さ…… 」


「 でも君の胸元、第三ボタンどころかその下のボタンまで外れちゃってるし 」


「 それは外れちゃったんじゃなくていま敦賀さんが外したんでしょぉぉ。だいたい、ちゃってるしってなに… 」


「 うん、だからさ…… 」


「 ゃんっ!!!…ぁ…んん~~!!やめ…敦…… 」


「 もう味わうしかないと思う 」




 ―――――――― そう。これは本当にじゃれ合いなんです。



 つまるところ私たちは、ちょっとだけ真剣に悪ふざけをしているだけなのだ。




「 ……っ!!…にゃうんっ!!やだぁっ、まさかここで? 」


「 な訳ないよ。君に痛い事はしたくない。ごめんね。服汚しちゃって… 」


「 洗えば綺麗になるからいいです 」


「 そう?じゃ、お詫びにこのままベッドに連れて行ってあげる 」


「 え?このまま?やだ、その前にこのカフェオーレを冷蔵庫に…… 」


「 そんな飲み物要らないって言ってるだろ。古賀君からのプレゼントなんて要らない 」


「 もう!!食べ物飲み物に罪はないでしょ。妙な所でジェラシーふりまかないで下さい 」


「 そういうこと言う?だったら俺もそういうことするよ? 」


「 すればいいじゃないですか……。どうせ私、炭酸飲めないしアルコール飲めないし…って!!敦賀さん、待ってください、まだ冷蔵庫に… 」


「 しなくていいって 」


「 やだぁぁぁぁ!!!カフェオーレェェェ!!!あれ本当にすっごく美味しいのにぃぃぃ… 」


「 だったら!古賀君からのじゃなくて俺が買ってあげるから 」



 そう。これは私達にとっては日常的な

 互いの愛の向きを確認するための戯れに過ぎないのです。



 悪ふざけついでに私たちは、毎日を楽しく過ごしているのです。





     E N D


タイトルにしたあじゃら。漢字で書くと『戯』になります。

ふざけること、たわむれ、冗談という意味。漢字表記だと自分も読めないので敢えてひらがなにしたのですが、なかなか雰囲気があっていいですよねん。


ちなみにこのお話は、一葉が仕事中にグ〇コのカフェオーレを飲んでいて、ふと蓮君も口にしていた「開封後はお早めに~」が目についたのですが、何故かその瞬間、ポンッ!…と思いつきました。


そして既にお気づきになったかと思われますが、どうやらキョーコちゃんは泥中の蓮の撮影中。つまり原作ではどうしたって有り得ない、現時点で二人は両想いムフフ♡状態な関係に。


いえ、だって古賀君の設定もふつーに出てきちゃったのですもの。

だったらこれでいいかなって思って(笑)


少しでも楽しんで頂けたなら嬉しいです。

あ、ついでにおまけを付けておきますー。



■ 開封あじゃら・おまけ ■



 紙パックについている3段式ストローを使おうとそれを取り出してみたものの、何故か2段しか伸びない。

 苦心しているキョーコのそれに蓮が気付いて声をかけた。


「 …どうした? 」


「 あのっ…付属のストローが最後まで伸びないんです 」


 爪を使って懸命に引き出そうとするが、ひっかかりが強いのか何なのか、ストローはなぜか2段以上伸びず。

 蓮はキョーコのそれを変わらず見守っていたが、瞬間、フ…と嘲笑気味に口元を緩めた。


「 ……古賀君、短小だな 」


「 っ?!にゃにを… 」


「 俺のはもっと長く伸びる 」 ←


「 なっ…なにを言ってるんですか、もう。変な所で張り合わないで下さい 」


「 おや?何か違うのを想像しているだろう、それ。俺は別に自分のコレだなんて言ってないよ? 」


「 言ってる!!指さしてるじゃないですか! 」


「 ぷっ。ほら、やっぱり、古賀君より俺の方が良いと思うだろ? 」


「 そういう問題じゃなぁいっ!!もぉ、敦賀さんのぶわぁかっ! 」



 ………はい。こんなこと、本当に日常茶飯事のじゃれ合いなんですよ。



~END~



⇒開封あじゃら・拍手

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※おまけのオマケに続きます⇒「威嚇は程よく」



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