いつもお世話様です、一葉梨紗です(/ω\)
別に本誌の発売日だから頑張った!…とか、連載物が全然進まないから腐った…とかではありませんよ(笑) ←どっちかを選ぶなら後者だけど
思いついちゃったままを思いついたままお届けいたします。原作沿い両片想い蓮キョです。
気分転換という名の現実逃避のため、12巻のダークムーンごっこを読み返しつつ楽しく糖分補給をしていた折、蓮くん宅キッチンでおかゆを作っているキョーコちゃんの様子を見てピンと来た一葉。
素敵妄想!と自分では思ったのですが、読んで下さる方はどうでしょう。
少しでも楽しんで頂けたら嬉しいな、と思います。
■ 10秒の沈黙 ■
今どきオール電化のマンションなんて珍しくもなんともない。
だけど、一度電気の供給が止まってしまえばそれは諸刃の剣だった。
空調が効かないから快適さはどこにもない。
蛇口をひねっても水が出ないからシャワーを浴びることも出来ない。
当然、携帯の充電すらままならず
これでは生活など出来ようはずもない。
唯一、別電源だった玄関鍵だけはロックを掛けることが出来たので、それを経てのち俺は緊急避難場所へ向かった。
「 …――――――― で、こんな夜中に俺ン家に来たのか? 」
「 ええ。社長の所以外、思いつきませんでしたので 」
「 別に良いが、連絡ぐらい寄越せよ、お前も 」
「 それこそ別に必要ないかと思いまして。
なにしろここはいつ来ても車止め放題の広大な敷地を有しておりますし、事情を知り尽くしている社長なら互いに身構える必要もありませんし、加えて100%自家発電で水も電気も使いたい放題。ここなら俺一人が増えた所で困ることも無いでしょう? 」 ※自家発電云々は一葉の妄想です
「 ざけんな。本当に使い放題しやがった時はお前の給料から差っ引いてやる 」
「 どうぞご自由に。
早速ですがゲストルーム、お借りします 」
「 ん?…あっ、いいんだが、蓮 」
「 はい? 」
「 ちょっとだけ待て。一杯ぐらいイケルだろ? 」
「 嫌ですよ。早朝ロケがあるので俺はもう寝たいんです。明日の夜だったら相手してあげられますから 」
「 上から目線とはいい度胸だな。
おい、いいから少し待てって、蓮 」
「 本当に勘弁して下さい、社長。今夜は付き合えません。では失礼します 」
どうせ本気で俺を引き止める気などないのだろう。
実際、社長はどっしりとソファに座っていて、言葉だけで俺を引き止めていた。
素早く背を向け、早々に客室へ向かう。
大きな屋敷の中にあって、それでいて適度な広さにしつらえられたゲストルーム。
俺の記憶にあるそれは、俺が日本に来たばかりの頃お世話になった部屋でもあった。
懐かしく思いながら勝手知ったるドアを開き、室内が真っ暗なことに少しだけ驚く。
「 珍しいな。カーテンが引いてあるなんて 」
※通常、いつ人が来ても良い様に、昼間は外の景色を見せるため、夜は月明かりで部屋の中が判るよう、カーテンは開きっぱなしが基本なのだそうです。
「 ま、いいか。おかげですぐ寝られそうだ 」
バフン…とベッドに沈み込むと、心地よい温もりに包まれた。
「 おかしなことをするな、社長も… 」
既にカーテンは引いてあって、ベッドの環境も整えてあるなんて。
もしかしたらさっき、その時間を稼いでいたのだろうか?
いや、違うだろう。
じゃあ何だったんだ。
ほんと、何を考えているんだか……
そこまで呟いて沈み込んだ。
心地よく誘われた真夜中の眠り。
腕の中に溢れる優しい温もりは、香り立つそれと相まってなぜか最上さんを連想させた。
「 ……なんだ。何も起こらんじゃないか。非常につまらんな 」
「 旦那様。敢えて黙って見守らせていただきましたがやはりそういう事でしたか。
それで、どうなさるのです?あのままで宜しいのですか? 」
「 別に構わんだろ。最上君に何の問題もないのなら 」
「 …そうですか 」
「 すまんが明日の朝、予定通りの時間に蓮の分をプラスした朝食を用意してくれ 」
「 はい。かしこまりました 」
翌朝、カーテンの隙間から差し込む太陽光により
すっかり明るくなったゲストルーム・ベッドの中で目覚めた俺は
自分の腕の中でおとなしい寝息を立てている最上さんを見つけて
10秒間、思考力と息を止めた。
E N D
こんなにくそ暑い毎日が続いておりますのに、一葉が思い浮かべたこの↑妄想、なぜか冬仕様でした♡
しかしながら違和感なく読んで頂きたくて、敢えて季節を匂わせる言葉を極力排除してみましたけれど。
…で、これだけですと糖分不足と感じる方がいらっしゃると予想して、いつものように欄外続き妄想劇場を本編とほぼ変わらない長さでお届けします。↓ ちなみに先日某テレビ番組視聴中に一葉が激ツッコミした内容を盛り込んでおります。
俺が息を止めて間もなく、最上さんが目を覚ました。
「 き… 」
「 ちょっと待って! 」
叫び出しそうになる気配を察し、彼女の唇を抑えるより
腕の中にいるこの子を抱き寄せた方がずっと早いと瞬間思考。
小さな後頭部を支えて俺の肩に押し付けた。
「 ん…むぐぅ… 」
「 ごめん、ごめん。でも叫ばないで、最上さん。俺だってさっき目が覚めたばかりで、目の前に君がいて驚いた所だったんだ 」
「 んぐ? 」
「 離すよ?いい? 」
ぴったりとくっつきながら俺を見つめる上目遣い。
離れるのを不本意に思いながらも腕の力をそっと緩める。
「 昨日、この部屋に入った時の雰囲気がいつもと違ったのは既に君がいたからだったんだね。いまようやく合点がいったよ 」
「 え? 」
「 実はウチのマンション、昨夜、突然電気の供給がストップしてね。疲れて帰ったからそのまま家で寝ちゃっても良かったんだけど、後のことを考えたらどうしてもココに頼らざるを得なくて、夜中にここに到着したんだ 」
「 ……そうだったんですね。ちなみに昨日、広範囲でそうなったみたいですよ。なぜか地域はバラバラだったみたいですけど 」
「 ん?あれ?じゃあ最上さんも? 」
「 はい。私もそれが原因で帰ることが出来なくなってこちらに… 」
眩しい朝に、君に寄り添いながら一つのベッド上で語り合っているなんて、なんか夢を見ているみたいだ。
「 最上さん 」
「 はい? 」
「 俺、いまここで君におはようのキス、してもいい? 」
「 は? 」
「 君の唇、このまま奪いたい気分なんだ 」
「 ………―――――― はぁ~…敦賀さん 」
ヤダな、その深い溜息。
叫ばれるよりなんか傷つく。
「 たぶん、敦賀さん、お仕事のしすぎだと思います 」
「 ん?なんで? 」
「 だって、今どき唇を奪う…なんてそんなセリフ、ドラマの中でしか言わないでしょう?しかも私に向かって言うなんて、もしかしたら早朝練習のおつもりですか?
だとしたらいまの敦賀さん、立派なお仕事中毒状態だと思います 」
早朝練習って……。
なんでそういう発想になるんだ、君は。
「 ……じゃあ、なんて聞くのが一般的? 」
「 しっ…知らないですよ!だって私はそういうのはっ… 」
「 あ、じゃあ別の聞き方にする。最上さんなら何て言われたらハイって頷く? 」
「 私?私ですか? 」
「 そう。君の意見を聞きたい。参考までに 」
「 参考…にはならないと思いますけど。そうですね、私だったら… 」
「 うん 」
最上さん、その何かを思いながらの上目遣い
最高に可愛いよ
「 好……好きな人から、いい?って聞かれたら…。そしたらハイって答えると思います、けど… 」
「 けど? 」
「 いえ、なんでも!そう!そう答えると思います 」
「 ふぅん?ちなみにソレ、いい?って聞くだけでいいの?それだけで通じる? 」
「 さあ?実際にはなってみたことがありませんので… 」
「 なるほど。それじゃ話変わるけど、最上さんは事務所の先輩である俺のことを、好きか嫌いかで線引きするならどっちに分ける? 」
「 は?えっと…好き、ですけど… 」
「 うん。そう……。
じゃあ最上さん、いい? 」
「 う?え?……はいっ??!! 」
「 ね……いい?……よね? 」
およそ10秒の間をおいて
「 う……う……ハ…ハイ… 」
触れることを許された唇は、確かに昨夜、抱き締めたときと同じ温もりがそこにあった。
自慢じゃないけど( ̄▽+ ̄*)こんなことばっかり考えております。
ちなみに、今どきプライベートで「唇を奪う」なんて絶対、言わねーだろ、ドラマでもあるまいし。…というツッコミ。
Please do not redistribute without my permission.無断転載禁止
◇有限実践組・主要リンク◇