SS 向来・嚮後~キョウライ・キョウコウ~ | 有限実践組-skipbeat-

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こちらは蓮キョ中心、スキビの二次創作ブログです。


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 いつも有難うございます。一葉です。(。-人-。)


 原作沿い、両片想い蓮キョ。お届けいたします。


~キョウライ・キョウコウ~

■ 向来・嚮後 ■






 LME俳優セクション所属の敦賀蓮は

 最近、以前にも増して飛ぶ鳥を落とす勢いの絶好調。



 一般女性が選ぶ『 抱かれたい男 』ランキングは毎年、顔ぶれが変わるのが通例なのにすでに2冠を達成していて



 余裕のある男っぷりに大人の雰囲気がプラスされ


 ほんの少し笑みを漏らせば泣く子も惚れるイケメンぶり。



 ハイトールに見合う長い足。


 脚本を片手に、もう一方の手をスラックスのポケットに無造作に差し込み、壁にもたれかかる何気ない仕草でさえ行き過ぎる人の目をことごとく攫う男。




 それが、若手実力派トップ俳優、敦賀蓮。






「 …でも本当は、イタイ男なんだよ、敦賀蓮 」



 役者としての実力は申し分なく

 仕事に向かう姿勢はあきれ返るほど真摯な紳士。


 そりゃ、たまに地獄の鬼畜かってほど辛辣なセリフを口にする時もあるが、それは芝居に情熱を傾けているからこそ。



 最近は何となく作っているんだろうな…と思い始めている


 デビュー当時から変わらない春の小川のような優しい笑顔と、穏やかな対応はけれどそれが敦賀蓮というもの。




 蓮が絶好調なことに違いはなく

 そんなわがまま一つ言わないコイツの仕事ぶりはマネの立場としても大変ありがたく。


 だから当然、俺の口から文句が出るはずも無いワケで、と言いたい所なんだけど…出ちゃうんだよ。



「 …聞き捨てならないですよ、社さん。

 俺のどこがイタイ男なんです? 」


「 どこがって、具体例を挙げてもいいのか。いくら今いるココがお前の楽屋で、俺とお前の二人しかいない場所だからって… 」


「 それこそ構わないでしょう?マネージャーが一番俺のことを見てくれている人ですし、指摘を頂いて納得できればもちろん俺は努力しますし 」


「 ……嘘つけ 」




 お前、何度も俺が忠告しているのに実行した試しがないだろ。

 キョーコちゃんとの事なんて…



「 嘘じゃありませんよ。何です?やけに機嫌悪いんですね?敦賀蓮に不満があるなら言って下さい。じゃないと俺、何も変わりませんよ? 」


「 そんなにな、いくら優しく穏やかな顔を浮かべたところで、お前の男っぷりじゃたかが知れてるっつの 」


「 ……社さん。本当に聞き捨てならないですね。俺のどこを見てそんなことを? 」


「 日々のお前を見て 」


俺は芸能人として外見を保つための努力を相応にしているつもりでいますし、体幹を鍛える筋力トレーニングだって日々必ずこなしています。

 世間の評価はいたって男前だって言うのに、マネージャーの目から見た敦賀蓮のどこに不満があるって言うんです? 」


「 お前なー。そんな凄んだ顔で、デカい体を使って俺を押しつぶさんばかりに精神的プレッシャーをかけた所で俺にはぜんぜん効かないぞ 」


「 いいから、質問に答えて下さいよ 」


「 いいだろう。ご要望にお応えしてやる。

 お前、ヤキモチ焼くのも結構だけどな、まずキョーコちゃんに対してそれが許される関係になってからにしろよ。

 こんな風にさ、イスに座った俺を囲うようにテーブルに手をつく壁ドン風味なことをする位なら、それをキョーコちゃんにすればいいだろ。…せっかくそんな容姿なのに…お前、カッコいいくせにイタイんだよ 」



 だいたいな

 お前が壁に寄りかかって台本を読んでいるだけでもお前に惚れる人間は大勢いるのに、なんで肝心なところで消極的なんだ。



 お前が本気で口説きにかかればキョーコちゃんだってきっと…ってなぜ思わない?

 慎重すぎる敦賀蓮なんて、およそお前のイメージじゃないだろ!




「 ……社さん。貴重なアドバイスと思わぬところで褒めていただき有難うございます。お礼はチューでいいですか? 」


「 そんな意地悪げに目尻つり上げて報復を企てる悪代官のように妙な事を口走るのはやめろ。しかも重い!!いいからそろそろ俺の上からどいてくれ 」



 しかしタイミング、というやつはとんでもない所で爆弾を投下するものだ。




 楽屋の扉がノックされ、間を開けずに扉が開いたのは



 ヤキモチ焼きの蓮君が

 休憩時間に入り次第、俺の楽屋に来るように!…とキョーコちゃんに向かって大魔王の顔と声で命令したからに他ならない。



「 失礼します、敦賀さん。……っ??!!!! 」


「「 あっ… 」」


「 ……あの…す、すみませんでしたっ!私ったら返事を待たずに入室するなんて無礼千万を…。

 あのっ、ごめんなさいっ!!大丈夫です、私、何も見てないですから!失礼しました―――――― っ!!!! 」



 ――――――― ちょっと待って!!!



「 キョーコちゃん!! 」


「 最上さん!! 」


「「 それは誤解だっ!!! 」」



 素早く俺の上からどき、楽屋の扉を開けた蓮は

 けれど廊下を見るなりガックリと肩を落とした。



「 ……最上さん、誤解だって 」



 バカだな、お前は。

 だから早く口説き落とせばいいものを。



 ちなみに、俺にはこの先の展開すら読めるぞ。



 抱かれたい男№1の実力派俳優、敦賀蓮くんが

 同じ事務所に所属している別セクションの可愛い後輩、キョーコちゃんの誤解を解くために


 一生懸命、説明をするのだろうってことが……。



 きっと誤解を解くのに頭がいって

 口説く事にまで気が回らないぞ、あいつ。





 案の定、撮影の休憩がキョーコちゃんと重なるたびに、蓮はキョーコちゃんの隣に座っていた。


 そのシーンを何度か見守ったあと

 蓮の話を聞いていたキョーコちゃんの誤解が解けたのか、頭を下げたキョーコちゃんを見下ろした蓮が一瞬、怒りのマグマを噴火させ、次いで顔を上げたキョーコちゃんを見つめて蓮がホッと溜息をつく。


 スタッフに声を掛けられ再び撮影に戻った蓮に変わり、今度は俺がキョーコちゃんに近づいた。



「 キョーコちゃん 」


「 あ、社さん。さっきはあの…失礼しました…。私、てっきり… 」


「 てっきり…って、本当に勘弁して。俺、蓮のことは役者としても人間としても好きだけど、唯一恋愛感情は持てないから 」


「 ……ふっ……ふふっ。本当にすみません 」


「 笑い事じゃないよ、キョーコちゃん。本当に 」


「 だって、敦賀さんってあんなに素敵な人なのにそういう噂ってまるで皆無じゃないですか。…で、もしかしたら社さんと…なんて話を聞いた直後だったものですから、つい 」


「 ん?なにそれ?誰からそんな話を? 」


「 ……えっと、敦賀さんが鬼の形相で俺の楽屋に来るように!って仰ったときです 」



 は?



 それってもしかしなくても

 最近、人気急上昇してきたと噂のあの若手俳優が、かなり親し気にキョーコちゃんに耳打ちしていたときのこと?


 それで怒りのマグマを沸騰させた蓮だったけど

 直後にキョーコちゃんがスタッフに呼ばれちゃったから、休憩時間になったら俺の楽屋へ来るように…って言ったときのことだよね?



 あんなに爽やかな笑顔を浮かべていた新人君は

 蓮がヤキモチを焼いたそもそもの原因シーンの時にそんなことを話していたのか。



「 ん?もしかしてさっき、その話を蓮にした? 」


「 はい。…ですから誤解しちゃってすみませんでした…って 」


「 ああー…そうなんだ 」



 あれか。

 一瞬、沸騰したように見えた怒りのマグマはそういうことか。



 ……あの若手俳優、無事に撮影を終えることが出来るかな。



 たぶん、この撮影中

 ありえないほどキラキラ輝く裏腹笑顔を浮かべた蓮に、成す術も無く追い詰められていくんじゃないか?



 …ま、それも仕方なかろう。

 実力がなければどちらにせよ、芸能界で長く息をする事は出来ない。

 ゆえに俺が気にすることは無い。



「 それで、社さん 」


「 ん? 」


「 もしかしたらそういう誤解をしている人が他にもいるかもしれないから、なるべく私も一緒に行動して欲しいって敦賀さんにお願いされました 」


「 …へえ? 」


「 私、頑張りますね!お二人の不名誉な噂が流れないように!! 」


「 うん、ありがとうねー 」



 そんなことをしたら自分が蓮と噂になるかも…とか全く思わないところがキョーコちゃんらしい。



 ……前途はまだ遠そうだけど

 一歩前進したのかもしれない…と、そう思うことにしよう。










     E N D


低レベルな策士…



⇒向来・嚮後◇拍手

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※このお話の続きが出来ました⇒「嚮後万端 です


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