おばんです。一葉です。ヽ( ̄∀ ̄)ゝ
突然ですが、連載を開始いたします。
実は一葉が大好きなマンガ家さんが、過去の某連載作(すでに完結済み)のお話の中で、グリム童話「ラプンツェル」を題材にしたストーリーを書かれていらっしゃって、その内容がとても素敵で、読み返すたびにいつか絶対蓮キョで!!…とずっと思っていたのです。←とうとう我慢できなくなった!!
もちろん、一葉風味に味付けし直してお届けです。何しろそれ自体にはエンドが付いていないお話ゆえ…。
…が、解る人にはきっと解る。なので申し訳ありませんが、もし「あ、この漫画のことだ!」が解っても敢えてお口には閉じチャックを採用してください(。-人-。)
念のため、桃などは一切ありませんことを先にお伝えしておきます。
週一程度のペースでのんびりと更新していく予定です。お付き合い頂けましたら幸いです。
■ 闇色のイバラ ◇1 ■
闇色に染まった高い塔の上を目指し、螺旋階段を登る男の足音が厳かに響いていた。
塔の階段を踏みしめる長身の男が腕に抱くのは幼い子供。
少女は気を失っていて、ただ揺られるままに身を預け静かに瞼を伏せていた。
一段一段、空に近づくたびに子供は世界から切り離される。
辺りに漂う一定の形すら持ち得ない雑多な魔物が、強大な力を持つ魔物に媚びを売るように男の足元に擦り寄った。
―――――――― ゴ主人様……
――――――― …ソレハ獲物?獲物デスカ…?
…――――――― …マスター……
――――――…ゴ主人様……。獲物?ゴチソウ?
――――― ソレハ、ドッチ…?―――――― …
「 寄るな、鬱陶しい!! 」
目的地にたどり着き、マスターと呼ばれた魔物は抱えていた子供を無造作にテーブルに横たえさせると、無機質に背中を向けた。
空気を入れ替えるために彼が塔の窓に近づくのと、温もりが離れたことで少女が意識を取り戻したのはほぼ同時だった。
目覚めたはずなのに開いた視界は真っ暗で、少女は素直に首を傾げる。
……どうして真っ暗なの?
お父さん
お母さんはどこに行ったの?
腕に力をこめて少女が身を起こすと、錆びた金具の鈍い音が耳に届き、次いで窓が開け放たれた。
瞬間、まばゆい日差しが差し込んで
唐突に訪れた眩しさに少女が目を細めると、まだはっきりとしない視界の中、人の後姿を見つけて彼女は視線を仰いだ。
この人はだれ?
まぶしくて良く見えない。
一体、ここはどこ…?
太陽の光が辺りを満たし、自分の頬を撫でる風の冷たさを感じて少女は高さのあるテーブルからイスを伝った。そこから降り、呼ばれたように窓に近づく。
「 …え?ここは…高い……高い塔 ―――――――? 」
開け放たれた窓の向こう。幼い少女の眼前に広がったのは、どこまでも深い拡がりを見せる森。
そしてその景色が
木々のてっぺんすら見下ろせる高さであることに目を見開く。
変わらず頬を撫でる冷たい風に、キョーコは小さな体を震わせた。
「 おい。頼むから泣きわめくのは無しにしてくれ。泣いている子供が俺は一番嫌いなんだ 」
「 え?…っ…あっ!!……もしかしてあなたは魔法使いさま? 」
「 は? 」
「 隠したって分かるわ!魔法使いさまでしょう?
魔法使いさまは色んな魔法を使うから、その影響を受けないように黒い髪と黒い瞳をしているって前に本で読んだことがあるもの。
それで、この下の森は魔の森ですよね?恐ろしい闇の遣いがいるっていう… 」
……うん、そうだね。君の言う通り、その後半の知識は正しいよ。
「 私、この森の入り口付近で小さな魔物に追いかけられたんです。でもその後のことをよく覚えていなくて…。でも、魔法使いさまが助けてここまで運んできて下さったのですね。ありがとうございます! 」
いや
正確に言うと
俺が飛ばした使い魔に追いかけられた君が意識を失って
それで俺が君を攫ってここに来たんだけど…。
……なんか、俺のことメルヘンチックな方に勘違いしてくれてるだろ?
「 でも私、帰らなくちゃ。
お父さんとお母さん、待っていると思うので… 」
「 ……君の親?もうとっくにいないんじゃないの? 」
「 えっ? 」
「 この森の魔物が恐ろしくて、もうどこかに逃げてるよ 」
「 ……え………? 」
あ、しまった
泣く
「 ああ、いや。大丈夫だよ。何しろこの塔はだいぶ目立つから。
きっといつか君がここにいるかと思って迎えに来る。だから、それまではここにおいで。キョーコ 」
「 え?あの……どうしてその名前を…?
私の名前は決して誰にも言ってはいけないよって、お母さんからいつも言われていたの。だから私、誰とも遊べなくて…。
それで一人で魔の森の近くで遊んでいて… 」
「 さあ、どうしてだろうね? 」
「 そっか!魔法使いさまだから?だから人の名前を聞かなくても判るんでしょう?すごいっ!! 」
いや、だから違うんだけど。
教えないけどね
君の名前は昔、俺が付けたんだよ。
いわゆる俺は、君の名付け親ってこと。
そしてね、君は親が犯した罪の代償としてここに来た。
俺の元にね。
もちろん、幼い君にそんなこと、一つも教える気はないけどね。
⇒2話 に続く
よろしくお付き合い下さいね♡
⇒闇色のイバラ◇1・拍手
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